「前略雲の上より」という飛行機好きにはたまらないコミックがあります。
職場の上司が飛行機と空港大好き人間で全く興味が無かった部下がそれに巻き込まれていくというストーリーで、仕事と称して全国津々浦々飛んでいくわけです。
それは羽田空港のようなメジャーな空港からマイナーな空港まで色々で、特に地元の空港が登場するとワクワクします(ワタシの地元北九州空港は第6巻でついに登場!)。
まだ行ったことがない空港でも、ただ通り過ぎるだけではなく空港そのものの魅力も伝えてくれるのです。
今回、富山の空港である「富山きときと空港」に初めて訪れる機会に恵まれたので、事前に富山きときと空港が登場した「前略雲の上より第3巻」を読んで、空港周りで「前略雲の上よりごっこ遊び」をしてきたので、お届けします。
目次
羽田空港を出発|NH315-09:55羽田発10:55富山着
前略雲の上よりごっこは出発のときから始まっています。
富山きときと空港まではJALは就航しておらず、ANAしか選択肢はありません。風向き次第ですが、羽田空港第2ターミナル前のC滑走路を北向きに離陸する時は、離陸直後すぐに右に旋回し、左手に東京を見ながら回り込んで富山に向かっていきます。
東京上空を避けていくルートです。
そして左手に富士山や長野、黒部ダムなどを見ながら進んでいきます。座る座席としては左窓際がベターです。コミックでも語られていますが、この羽田ー富山路線は日本有数の絶景路線です。ぜひ窓際の確保を!
この日は運良く王様席のプレミアムクラス1Aシートをゲットできたので、景色を存分に楽しむことができます。
この離陸直前の滑走路をまっすぐ見れる景色が大好きです。これは前方座席ならではの特権です。
離陸後すぐに右旋回するので、左手眼下に東京ディズニーリゾートを見ることができます。
東京を大きく迂回して皇居や新国立競技場を見ながら北上していきます。いつも北方面に向かう人にとってはいつもの光景かもしれませんが、南方面しか行ったことがないワタシにとってはとても新鮮でした。
遠目に富士山を眺めながら北上します。手前のダムは何ダムなんだろう?関東地方大雨の直後なので、ダムは満水で濁っていました。
この辺りでANAプレミアムクラスのお食事タイムです。朝食が一番好きなのですが、いずれにせよ飛行時間が60分無いのでかなり慌ただしいです。
立山連峰に隠れる黒部ダムが見えてくると、そろそろ離陸準備に入っていきます。
富山きときと空港着陸まで
前略雲の上より3巻に載っているように、富山きときと空港に着陸する時は能登半島をなめるようにぐるっと旋回して海側からのアプローチとなります。
季節によって航路は様々なのでしょうが、富山市街を左手に見下ろしながら通過し、旋回していきます。
たぶん能登半島のくびれです。土地勘がないので違うかもしれません。
コミック内の課長が憎々しく語る北陸新幹線と富山駅を見下ろしながら降下していきます。
この時は追い風での着陸となり、着陸時の逆噴射がいつもより強くなります、とのワクワクするドキドキするアナウンスとともに、河川敷にある珍しい富山きときと空港に着陸していきます。
河川敷にあるのでターミナルビルとの間に防波堤が見え、防波堤を超えるために普通より長いと言われるボーディングブリッジが設置されています。
富山きときと空港あるある「受託荷物を運ぶのに堤防を迂回してくるので通常より時間がかかる」です。
確かに小さい空港で受託荷物の数もそう多くないのに10分は待ちました。
この日は時間がなかったので空港を楽しむのは復路のときにして、出発直前のバスに飛び乗りました。飛行機に乗ってきた人たちが大挙してバスに乗るので満席中の満席でした^^;。
富山きときと空港のチェックインカウンターあるある
さて復路で富山きときと空港に戻ってきてからは、まずチェックインカウンターあるあるからお届けします。
下記はとある日の富山きときと空港出発便のスケジュールです。
国際線は除くと、出発便は羽田行が1日4便、新千歳行が1日1便あります。
そして11:40に新千歳行が出発した後、国内線ではお昼に空白の時間帯ができます。
その結果、ANAのチェックインカウンターは一時業務を中止してオープンするのは14時40分(この時は)からとなっています。
問題は16:10発の羽田行に乗るためにバスで空港に向かうと、この14時40分より30分は早く着くバスか、搭乗手続き締め切り30分前ぐらいのギリギリにしか着かないバスしか無い、と言うことなのです(30分じゃ遊べない!)。
手荷物預けられんやん…
バスの時間に合わせてオープンしやがれ!とダイヤモンドおじさんとしては思うわけです。
しかもオープンしたらしたで待ってた人が殺到するので、プレミアムチェックイン関係なく混雑しているし。
富山きときと空港のグルメ|お寿司
富山きときと空港でまともに食事ができるところは2ヶ所あって、1つが「回転とやま鮨」です。このお店はコミックの富山きときと編、最後の最後の挿絵に載っています。
ち〜〜ん、こちらもお昼休み中です。お客が少ないからしょうがないかもしれませんが、バスが着いたら開けてもいいんじゃない?
ちなみにこのお店は富山駅前にもある行列ができる有名店で、滞在中にそちらに行ったのですがかなり美味しかったです(^^)。
富山きときと空港のグルメ|ラーメン
富山きときと空港で食べれる富山グルメ、もう1つのお店は黒ラーメンで有名な「富山ブラック」です。コミックでは実際に主人公たちが食べていました。
このお店は東京ラーメンショーで日本一になったこともあるお店みたいです。これもお寿司屋さんがまだ準備中な時間帯で閑散としていましたが、幸いオープンしていました。
ギトギトしているように見えますが、それほどでもなく美味しく頂きました(^^)。1杯780円で、福岡空港の一蘭に比べたらリーズナブルです。
富山きときと空港あるある
空港を満喫しようと出発2時間前に到着したら(バス関係で選択肢がそこしか無いだけ)、手荷物も預けられず空港をウロウロせざるを得ませんでした。
その時に見つけた富山きときと空港あるあるをお届けします。
1.おいしい水が飲める
富山きときと空港2階、国内線の出発ロビーから国際線出発ロビーに向かう途中に富山のおいしい水が飲み放題できるサービスがあります。
富山の水は北アルプスの雪解け水でまろやかな美味しさ…らしいです。
ちなみにこのおいしい水が飲める前のスペースは比較的広くてとても静かで過ごしやすいです。
空港に早く着きすぎてしまったらお土産エリアと出発ロビーに囲まれた騒がしい待合所の椅子しか無いので、こっちに逃げてくるのも手です。ただし座れるところは少ないです。
2.ラウンジはカードラウンジで制限エリア外のみ
富山きときと空港には航空会社ラウンジはなくカードラウンジ「らいちょう」が制限エリア外にあるのみです。
制限エリアに入ったが最後、ANAのステータス関係なく待合室の椅子に座ってぼ〜と座っていることしかできません。制限エリアには搭乗時間に間に合うようにギリギリに入ったほうがいいでしょう。
カードラウンジ「らいちょう」はおいしい水が飲めるスペースの奥にあります。
とても狭いカードラウンジですが、この規模の空港ではやむを得ないでしょう。すべてバスの時間がうまくつながらないのが悪いのです。
3.展望台は両面攻め
前略雲の上よりの定番である空港展望台ですが、富山きときと空港では滑走路側と反対の立山連峰側の両方を楽しむことができます。
滑走路側を見ると、河川敷空港に恥じない河川「一級河川神通川」、滑走路とターミナルビルの間にある防波堤やその防波堤を超えるための長いボーディングブリッジを楽しむことができます。
滑走路と反対側には立山連峰の素晴らしい景色が広がっていて、案内板を見ながら景色を楽しむことができます。
そうこうしているうちに、ワタシが搭乗予定の機体が新千歳からの折り返しで帰ってきたので着陸風景を見ることができました。これはラッキーでした。1日に6便しか着陸便がありませんからね。
富山きときと空港は余程のことがない限り、風に関係なく海側から着陸して海側に飛びだっていくみたいです。
4.到着ロビーやらお土産物屋などの薬オシ
富山といえば薬ですよね。その由来はググってください。なので、当然他の空港には見られないような薬推しがあります。
到着ロビー(チェックインカウンターもある)がある1階には面白い投影パネルがあります。ぜひ富山きときと空港に訪れた際は、恥を捨てて緑のボタンを押してからパネルの前で飛び跳ねてみてください(^^)。
お土産物エリアの一角に薬屋さんがありました。バスで早めに到着時は例のごとくお昼休憩中でしたが、出発前にはオープンしていて、意外にお客さんで賑わっていました。漢方系が充実していて、ワタシが見てもよく分からない薬が結構ありました^^;。
富山きときと空港|空港外激写スポット
富山きときと空港は滑走路から神通川を挟んだ向こう側の河川敷や富山空港スポーツ緑地から、うまくすれば立山連峰をバックにした素晴らしい離着陸の風景を写真に撮ることができます(前略雲の上より3巻参照)。
しかしレンタカーもない中で、そこまで移動する時間がありません。そこで着陸時に見えたあの場所なら着陸時の迫力ある風景を撮れるんじゃないかと考えたのです。
その場所は富山駅からも徒歩2キロメートル30分ぐらいの距離で、ワタシが宿泊していたANAクラウンプラザホテル富山からは徒歩で20分もかからない距離にある、神通川にかかる富山大橋です。路面電車もあるので気軽に行ける距離です。
ANAクラウンプラザホテル富山から見る富山大橋はご覧のとおりで、結構近いです。
ちょうどワタシが前日乗ってきた羽田発富山行NH315便、10:55富山きときと空港着陸のANA便の時間に合わせて朝の散歩がてら歩いてみました。
この橋は富山「大」橋というだけあって、かなり長くて大きいです。渡るのもそれなりの距離なのですが、立山連峰をバックにするためにえっちらおっちら歩いて西側に移動しました。
そうこうしているうちに立山連峰を飛び越えて富山上空に差し掛かったANA便が見えてきました。
ちっちゃい笑。豆粒のようです。おそらくブログ上からは見えないと思いますが、見えてきました。
ルートは富山湾旋回コースなので、この後しばらく見えなくなります。
待つこと15分以上。意外に長く待たされましたが、やっと富山湾を超えて北陸新幹線の上を通過しようとするANAの機体が高度を下げて再度登場しました。
厳しい!思ったより高度が高くて厳しい撮影となりました。立山連峰を一緒に写す余地なしです(当たり前ですが)。
ちなみに撮影は買ったばかりのiPhone11ProMaxで行いました。厳しいのも当たり前ですね。一眼カメラ持ってくればよかったです。
復路|NH320便16:10富山発17:20羽田着
復路についてはコミックでも何も描かれていなかったし、日が沈んでしまったので景色も真っ暗で取り立てて取り上げることはありません。
右側に座ったらサンセットが見れたかもしれませんが、帰りも左側の席に座りました。
あえて言えば、ワタシは福岡在住で北陸東北北海道方面から羽田空港に向かったことがないので、北からのアプローチで見られる成田国際空港を横目に羽田空港に向かうコースが新鮮でした。
まとめ
今回の富山きときと空港は仕事で利用したのですが(仕事は初日だけ)、予約した際は前略雲の上よりの3巻で取り上げられていたことはすっかり忘れていたのです。非常に面白いマンガですが、何回も読み直したわけではないので。
ただ2019年11月21日に最新刊である「前略雲の上より第6巻」が発売されると耳にして、たまたま読み返してみたら3巻に富山きときと空港編が載っているのに気づきました。
たぶん読んでなかったらこの小さい地方空港を満喫することは不可能だったような気がします。
読んだあとだったので、今回の「前略雲の上よりごっこ富山きときと空港編」をお届けすることができました。このコミック、マイラー的にはホント最高です。ぜひ読んでいただきたいものです。
紙の書籍でもいいのですが、電子書籍ならいつでもどこでも持ち歩くことができて、旅先で前略雲の上よりを読み直すこともできるのでおすすめです。
「きときと」は富山弁で「新鮮な」という意味らしいです。富山は新鮮な海の幸が豊富で美味しいですからね(^^)。
日本を象徴する鳥「トキ」とかけているかと思っていたのですが、トキはお隣新潟県の「県の鳥」ですし、日本の国鳥はキジなので全然関係なかったです^^;。