マリオットバケーションクラブ(MVC)はヒルトンバケーションクラブ(HVC)やディズニー・バケーション・クラブ(DVC)と同様に、日本では知名度が高いリゾートホテルのタイムシェアプログラムです。
MVCには本家本元のマリオットバケーションクラブインターナショナル(MVCI)とは別にマリオットバケーションクラブアジアパシフィック(MVCAP)があり、今回は後者の方の説明会でした。
ワタシはハワイに行くたびにHGVの方の説明会の餌(100ドル程度のクレジット)につられて参加しては購入しちゃっている意思弱なのですが、コロナでオンラインとなった今回のMVCの説明会は乗り切れたのでしょうか?説明会の内容から顛末までお届けします。
目次
マリオットバケーションクラブ説明会の内容
マリオットバケーションクラブ(AP)の説明会の内容ですが、かいつまんでまとめるのも難しいので、メモを元に聞いた話を羅列していこうと思います。
※マリオットバケーションクラブのアジアパシフィックは期限があり2058年まで
MVCのアジアパシフィック部門では所有できる期限があるのは有名な話で、今のところ2058年までとなっています。そもそもHGVのタイムシェアのようにホテルを1週間分不動産として購入するのではなくポイントを購入することになるのも、不動産を外国人が容易に購入できない東南アジア特有の問題があるみたいですね。期限付きなのもその関係です。
2021年現在だとあと37年、37年後のワタシは82歳なので打ち切りとなるのは後腐れなくてちょうどいい感じです。
ただ毎年最低でも10万円以上の年会費が最初の購入費用とは別に必要なので、370万円の追加出費を生涯ですることになることは念頭に置かないといけません。
期限がないマリオットバケーションクラブインターナショナルと比べると損をした気がしますが、期限が有る分アジアパシフィックの方が年会費がかなり安く設定されているようです。説明では半額近く、とか言っていましたがホントかな?
あとインターナショナルの方で申し込むとWebサービスがすべて英語なのに、アジアパシフィックの方は日本語のWebサイトが有ることも安心材料と言っていました。
※MVCの物件は広めの部屋が多い
2LDKだと120m2ぐらいなのでHGVと比較しても部屋が広いのは売りらしいです。素晴らしいと感心しちゃったけど、後で冷静に考えると120が100でも持て余しているような気がしないでもありません。
※MVCの会員は40万人でそのうち日本人は1万人ぐらい
このデータは何が言いたいのかというと、HGVだと日本人の割合は3割以上でそれ故に日本でなかなか予約が取れないという悪評が有る一方、MVCでは日本人の割合が少ないのでその分予約が取れやすいですよ、ということです。
話を聞いて「それはいいね!」と思いましたが、軽く調べるだけでも日本人のブログで「なかなか予約が取れない」とか「空室が全然ない」とかヒットしました。結局休日がかぶるのは同じなので、そこに大きな違いはないのでしょう。
※1泊から利用でき、予約の手数料はかからない
HGVは基本的に3泊からしか予約できないので1泊から予約できるのは魅力的ですね。しかも予約手数料がかからないのもグッド。ただ1年前だと基本7泊の予約が必要で、10ヶ月前ぐらいから自由度が増すみたい。
キャンセル手数料もかからないらしいけど、予約60日前になるとキャンセルできなくなる的な話も耳にしました。この辺は会員になってないので曖昧な知識です。
※その他の予約方法|エクスプローラー
通常のマリオットバケーションクラブのホテル以外のホテルにもポイントを利用することができます。そのうちの1つがエクスプローラーというシステムです。
MVCのホテルは2021年現在日本国内にはないので購入したポイントを日本国内で利用しようとすると、まずはエクスプローラー対応となるマリオット系列のホテルで利用することになります。
北海道ならキロロのトリビュート、沖縄ならオキナワマリオットが対象となっていました。ただオキナワマリオットはリブランドによりマリオット系列から外れるので、現在は代わりのホテルとしてシェラトン沖縄サンマリーナリゾートかルネッサンスリゾートオキナワと交渉中、とのことです。
※その他の予約方法|インターバルインターナショナル
また他のタイムシェアプログラムと相互交換システムみたいな形で、所有ポイントを他のブランドのホテル予約に利用することができます。ただタイムシェアの交換ということなので、基本1週間単位でしか予約できない、とのことでした。あと手数料がかかります。ポイント貧者には使いこなせそうにありません。
※マリオットボンヴォイポイントへの交換
余ったポイントはマリオットボンヴォイのポイントへ交換することができます。その交換率は40倍ということです。最低の申し込みポイント数が1,500ポイントなので、40倍すると60,000ポイント。年会費だけで10万円は支払っているので、マリオットボンヴォイのポイント宿泊に利用するとなるとお得とは言い難いです。
※バケーションクラブに入会しなくてもバケーションクラブのホテルに泊まれる謎
バケーションクラブの説明の有利な点に「会員しか利用できない」とか言われることが有るんですが、普通に公式サイトから予約できるんですよね。これは常々不思議に思っていました。
その理由として、物件が売れ残っていたり、物件所有者やポイント所有者が権利を他で利用したりすると空室がどうしても生まれてしまうわけです。その損益を埋めるために一般に開放している、らしいです。
なので空室がなくなったら会員じゃないと泊まれないホテル、それがMVCのホテルらしいです。
おかげで1つの謎は解けましたが、結局は絶対に空室は存在し続けるわけで、たぶんいつまでも一般開放しているような気がしないでもありません。
今回のマリオットバケーションクラブのお値段
マリオットバケーションクラブアジアパシフィックではタイムシェアとして1週間単位の宿泊権利を購入するのではなくポイントを購入することになります。
※今回の金額は2021年6月でコロナの時期ならでは、という謳い文句から提示される値段です。値段はご多分に漏れず徐々に値上がりはしているし、2058年までの期限が有るなら年割りして考えると早ければ早いほどお得、と言えなくもありません。1ドル=109円計算
基本となる2,000ポイント購入の場合
→372万円からの44万円ディスカウント+年12万円程度の年会費(維持費)
最初に提示されるのは2,000ポイントなのですが、こちらが渋っていると1,500ポイントを提示してきます。
1,500ポイント購入の場合
→279万円からの28万円ディスカウント=251万円+年10万円程度の年会費
1泊から利用できるならと思うと、やはり最も安価な1,500ポイントを検討しちゃうので、以下1,500ポイント購入のケースとして話を進めます。
上記の他に、(よくあるセリフである)「今ならでは」の特典として
・2,700ポイントのボーナスポイント|コロナ対応で期限を2年→3年に延長
・60回の無利子ローン|頭金55万円が必要
・2,000ポイントで付帯するマリオットボンヴォイゴールドエリートを1,500ポイントでも付帯
と言った感じです。ホントに「今ならでは」なのか「実はいつでも」の特典なのかは分かりませんが、1,500ポイントならかなり手を出しやすいのも事実です。
初期費用は頭金の55万円で、60回の無利子ローンならただの分割払いだから60ヶ月間1月約3.3万円の支払いとなる計算です。プラス年会費10万円ですね。
安いのかどうかはわかりませんが、1−2年までの1,500ポイントでは200万円ちょっとだったらしいので、そういうのを見ちゃうと申し込みにくいですよね。
申し込むことを決意したマリオットバケーションクラブ
1,500ポイントで「今ならでは」の特典を考慮するとかなり気持ちがグラグラしました。
購入金額を2058年までで年割りすれば、1年約6.6万円。プラス年会費10万円。年会費は年に1%程度上昇していくらしいですが、年17万円の支払いを2058年までしていくイメージです。
年に17万円のラグジュアリーリゾートホテル宿泊(オフシーズンなら2-3泊はできる)、前後まとめて3年分のポイントで51万円分のホテル宿泊(オンシーズンでも1週間宿泊できる)、と考えると普通にホテル代としてそのぐらいは支払っていると思います。
以前泊まったオアフ島のアウラニディズニーリゾートは1泊10万円以上を3泊しましたからね。
しかもMVCの物件ならキッチン付き1LDKや2LDKで4人以上泊まれるので、子どもたちが大きくなっても1部屋予約でくつろげちゃう部屋を借りる権利を確保しているわけです。
マリオットボンヴォイのゴールドエリートが付帯しているとなるとSPGアメックスカードが要らなくなるので、その年会費分を差し引けばさらにお得度が上がる気がします。
プレゼントされる2,700のボーナスポイントはかなり多めで、普通にハワイ1週間泊まろうと思えば泊まれちゃう価値があり、宿泊代換算しちゃうとん十万円の価値があるでしょう。
え?全然いいんじゃない!ワタシはHGVや不動産投資の失敗経験が有るから及び腰だったのですが、妻の方がかなり乗り気になっちゃったんです。正直止めて欲しい。
オンラインにも関わらず30分ほどうんうん2人であ〜だこ〜だと悩み続けて、結局購入することにしちゃったんです^^;、ホント反省しない我が家です。
やっぱりNG!マリオットバケーションクラブをキャンセルしたい理由
相変わらず大きな買い物の衝動買いが多いワタシ(我が家)ですが、今回はいつもと様相が違います。
オンラインで申し込みの意思を伝えると、その後の流れとして【必要書類を送付】→【指示通りにサイン】→【再度のオンラインで重要事項読み合わせ】→【書類送付】で、あちらが書類を受け取って手続きを行うことで契約が完了するわけです。
つまり【申し込み】→【契約終了】まで書類の送付・受取というタイムラグが有るんですね。通常なら現地でも日本でも顔を合わせての面談なので、その場で契約手続きをしてしまいます。
このタイムラグのクーリングタイム、とても大切。HGVでも、現地ハワイで盛り上がって購入しちゃったけど、日本に帰ってきて冷静に考えて後悔する、というパターンはとても多いようです。
ワタシも書類が届くまでの2日間に悶々と悩みました。
※予約はホントに取りやすいのか?
これについてはそうでもなさそうという感じです。特にポイント数が少ないほど厳しい。なぜならポイント数が多ければ1年前に1週間予約してそれから調節、という技が使えるけど、ポイント貧者ではその隙間を狙わないとイケないからでしょう。
また、結局日本の祝日には日本人は殺到するから、HGVよりマシでも全然余裕で予約が取れるという感じはしませんでした。特にポイント数が少ないと。
※ポイントはうまく使えるのか?
ホテルによってまちまちではありますが、宿泊に必要なポイント数はかなりバラバラで、必ずポイントの端数が余ることになりそうです。その余りを残らず使う事を考えるのがとにかくめんどくさそう、という印象です。
マリオットボンヴォイポイントに交換すればいいのでしょうが、タイムシェアのポイントをホテルポイントに交換しちゃうのは基本的には「負け」と思っています。マリオットボンヴォイへの交換率は悪く、しかも期限(年末)の9ヶ月前(たぶん)までに交換しないといけないという理不尽さもあります。
日本のホテルで利用するにも同様です。さらにMVCのホテルじゃない日本のエクスプローラー予約の必要ポイント数はかなり多くて、繁忙期ともなると海外で1週間利用できるポイント数で2−3泊しかできません。あまりにもったいない。
※日本のホテルは添い寝の条件が厳しい
MVCのポイントは日本でも気軽に利用できるのは(お得度は低くても)大きなメリットと思っています。ただ予約できる部屋はスイートなどではなく最安に近い客室になるでしょう。
そうなると添い寝の条件次第ですが、子ども2人が小学生、上はもう中学生になるという我が家では1室だけの予約ができなくなる可能性があります(日本の話です、米国はもうちょっとゆるい)。
となると二部屋ポイントで予約する必要があったり、一部屋ポイントでもう一部屋は別予約が必要になったりするかもしれないのです。これはめんどくさい。つまり日本でもポイントを上手く使えない可能性が家族構成的に高そうと感じました。
※アジアパシフィックのMVCの物件はそこまで魅力的か?
世界中にMVCの対象ホテルはありますが、日本人として利用したのはやはりハワイ諸島でしょう。その他にHGVにない魅力としては、タイのプーケット、バリ島、オーストラリアのゴールドコーストなどアジアパシフィックにあるホテルなどでしょう。
それらのホテルを利用することを夢見て一度申し込みすることを決めたと言っても過言ではありません。
ただ説明会のあとよくよくホテルのWebサイトを見てみると、わざわざMVCを利用して宿泊しなくてもいいんじゃない?と思いました。
それらの地域に旅行するなら3泊4日ぐらいでしょうし、そうしたら普通のホテル予約でも別にいいんですよね。キッチンがなくても料理とかそうそうしないでしょうし。
もちろん家族4人泊まれるスイートなルームを気軽に予約できるのは魅力的ですが、たぶんお金をケチらなければ普通のホテルでも予約できる。そして他のホテルを考慮した方が選択肢が大きく広がって楽しいはずなんです。
やはり泊まれるホテルの選択肢が狭まってしまうというのは大きなデメリットです。もしワタシがHGVを持ってなかったら2年に1回ぐらいで利用できるポイント数のMVCでも良かったと思いますが、すでにHGVで2年に1回は利用しないといけないポイントに縛られているので、そうじゃない時期ぐらいはもっと自由に旅行を謳歌したほうが建設的でしょう。
※交通費問題
MVCにしてもHGVにしてもホテルが確保済みとなるので、現地までの交通費が問題となります。
ハワイへの交通費はべらぼうに高いですが、アジアパシフィックならマイルを利用した特典航空券も利用しやすいし有償チケットでもそこまで高くないだろうと思いました。
しかし現実はそんなに甘くありません。MVCでもアジアパシフィックだろうとやはり交通費問題はつきまといます。ホテルにお得に泊まれても航空チケット代がべらぼうに高かったら本末転倒なんですよね。
じゃあ気軽に利用できる日本でも対応できるMVCはやっぱりいいじゃん、となりますが、先述のように日本での利用は必要ポイント数が多めでやっぱりもったいない、となります。
タイムシェアは「利用しなければ失効してしまう」という恐怖に常に晒されながらこの先何十年も保有し続けなくてはいけません。そんな苦労はHGVだけで十分です。まあだからこそHGVを持ってなかったらMVCは持っていてもいいかな、とは思っています。
※コロナの問題
もちろんコロナの影響もあります。まだまだ気軽には旅行に行けないので、ポイントを持て余す可能性がコワイです。
キャンセル!マリオットバケーションクラブ申し込み
色々MVCの申し込みをキャンセルしたい理由を書きましたが、要は「めんどくさい」の一言に付きます。お金の問題よりもそっちの方が遥かに大きな理由です。ポイントに縛られる旅行なんて嫌だ!
妻にキャンセルしたいと伝えたら結構渋られました。でも旅行の予定はいつもすべてワタシがしているのでHGVの予約の大変さや航空券確保のストレスなど知らないんですよね。なのでワタシはHGVで手一杯なので嫌だ、と伝えて承諾を得ました。
※旅行の荷物の準備は妻が主にしてくれているので持ちつ持たれつです(^^)
キャンセルの方法ですが、MVCはクーリングオフ期間が設けられていて、申し込みから7日間です。この手続きは期限が決まっているので結構焦るし大変みたいです。
※必要書類を入手してFAXしなくてはイケないとかなんとか…
ワタシの場合はオンラインで申し込み依頼したのですが、書類が届く前にキャンセルする旨を担当者に伝えました。
書類にサインすらしてないので、担当者が納得してくれればそれで終わりです。営業担当の方にはぬか喜びさせて本当に申し訳なかったのですが、オンライン説明会の(先方にとっては)デメリット(クーリングタイム)が出ちゃった感じですね。
逆に申込者としてのワタシにとっては冷静に考える事ができる時間ができたので、メリットが大きかった、ということになります。
担当者から電話がかかってきて色々説得されるかと覚悟していたのですが、思ったより淡々としていました。よくあることなのかもしれません。でも迷惑には違いないので、極力説明会中に申し込みを断るべきだったと反省しています。
まとめ
HGVに手を出してちょっとだけ後悔しているオーナーが、マリオットバケーションクラブの方にまで手を出しちゃいました。
しかしオンライン説明会という特性を生かして、なんとかギリギリで回避することができました。
今回MVCに申し込めばゴールドステータスが今後81歳まで付帯するので、好きじゃないSPGアメックスカード解約できてラッキーじゃん、とも思っていました。
まあしかしよくよく考えれば、ん百万円の買い物になるMVCよりはSPGアメックスカードの年会費のほうが安上がり、に決まってますもんね。たぶん新しく発行されるだろうボンヴォイアメックスカードも気になりますし。
今回の説明会営業勧誘は、元々ハワイで申し込んだマリオット・コオリナ・ビーチ・クラブでの3泊4日説明会付き宿泊キャンペーンがコロナで延び延びになっているので、ということで電話がかかってきました。
でもマリオット・コオリナ・ビーチ・クラブはまだ行く気満々です。お金も支払い済みだし。
そこでの説明会が、今回の申し込み→キャンセルする顧客というレッテル付きでどうなるのか気になります。