JALが国際線のエコノミークラスで、今まで事前座席指定できなかった非常口座席などの足元が広い座席を指定できるサービスを始めます(公式ページ)。
実はANAではすでに始めているサービス(公式ページ)でして、JALも追随したような形です。
ただJALとANAでは内容が結構異なるので比較しながらチェックしていきたいと思います。
JALの事前座席指定サービス(足元が広い座席)について
JALではエコノミークラスのブロックごとの最前列(いわゆるバルクヘッド席)や非常口座席など、足元が広い座席の指定が有料で出来るサービスを開始しました。
利用料金は以下のとおりです。
路線 | 日本地区での購入 |
日本発着=北米・ハワイ・ヨーロッパ・オセアニア・インド | 10,000円 |
日本発着=東南アジア | 6,000円 |
日本発着=東アジア・グアム・マニラ・ウラジオストク | 4,000円 |
日本地区以外からの購入については公式サイトをご参照ください。
上記料金は「1区間・1座席当たり」の料金で、大人と小児は同額です。
日本から人気路線のハワイ行きで1人1区間10,000円はかなりの負担です。ただステータスがなければ元々指定できない座席だったと思えば、やむを得ないかもしれません。
【対象航空券・路線・対象クラス】
- JAL国際線航空券
- 2020年12月3日以降出発のJALが運航するJAL便名の国際線
- エコノミークラス(B, H, K, M, L, V, S, Q, N, O, T)
対象はJAL国際線のエコノミークラスが主になります。予約変更・予約取消可で高額なEconomy Flex運賃であるYクラスは対象外ですが、安い運賃であるEconomy Standardなどの運賃ではほぼほぼ当てはまります。
有料となる座席に関しては座席指定マップでご覧のような表示となります。
ただJMBダイヤモンド・JGCプレミア・JMBサファイア・JMBクリスタル・JALグローバルクラブ(JGC)・ワンワールドステータス会員とその同行者(1名)は無料で指定できます。
つまり何らかのJALステータスを持っていれば今回の有料サービスは全く関係なく、今まで通り無料で座席指定できる、というわけですね。
ただ気になる記載として、同行者が無料で指定できるのは1名まで、となっていることです。
エコノミークラスを利用するとしたら家族連れも多いと思いますが、今までだったらJALウェブサイト上ではできなくても、申し込み本人の会員ステータスが満たされていれば電話での対応で家族全員で足元が広い席を座席指定できていました。
それが今後どのような対応になるのかが気になります。
無料座席指定する同行者1名を指定する場合はコールセンターに連絡する必要があり、ウェブサイトでは有料での案内となります。
これは面倒ですね。とりあえずウェブサイトで有料指定して、後でコールセンターに連絡して払い戻ししてもらうのか、それとも最初からコールセンターで予約するべきなのか、それとも無料席をとりあえず指定しておいてコールセンターで座席を移動してもらうのか…
いずれにせよ面倒です。この辺は後から改善されるような気がします。
注意点として、同一フライト内で座席変更する場合
- 他の有料席への変更→追加料金無しで変更可能
- 無料席への変更→変更は可能だが払い戻しはなし
となっています。
またフライトを変更する場合は
- 区間変更がない場合→変更後のフライトでも有料席の指定可で、無料席の指定時は払い戻しあり(コールセンターでのみ対応)
- 区間変更がある場合→払い戻しあり
となっています。
また特典や有料アップグレードにより上位クラスへの変更時も払い戻しが可能です。
航空券を払い戻しする場合も、当料金はそのまま払い戻しされるようです。払い戻しのありなしを考えるだけでも面倒そうですね。
ANAの国際線エコノミークラス有料座席指定との違い
ANAはすでに同様の国際線エコノミークラス有料座席指定サービスを開始しています(公式)。
JALとの違いがそれなりにあるので注意が必要です。
JAL | ANA | |
有料指定できる座席 | 足元が広い座席 非常口座席 | 非常口に隣接する足元が広い座席 窓際・通路席 |
料金 | 10,000円〜4,000円 | 足元広:5,500円〜4,500円 窓際・通路席:2,500円〜1,500円 |
対象予約スラス | エコノミークラス B,H,K,M,L,V,S,Q,N,O,T | エコノミークラス V,W,S,L,K |
対象外会員ステータス | クリスタル以上ほぼすべて | ダイヤモンド・プラチナのみ |
同行者無料 | 1名まで | 同一予約内なら全員 |
無料席への変更 | 払い戻しなし | 期限内で別フライトへ利用可能 |
特典航空券 | 対象 | 対象外(?) |
以上がJALとANAのエコノミークラス有料座席サービスの見る限りの違いです。
まず対象となった座席が違います。
JALは足元が広い座席のみですが、ANAは料金は安くなりますが窓際・通路席も有料サービスの対象です。JALはまだそこまで対象を広げていません。
料金は全体的にJALの方が高く、ANAの方が安くなっています。
そしてこれは大きな違いなのですが、対象予約クラスの幅が違います。JALはほぼすべての予約クラスが含まれていますが、ANAでは比較的運賃が安いValue(予約クラスH/Q)などは含まれていません。
その分JALは全ステータスホルダーは今まで通り無料で指定でき、そこは優しい仕様となっています。
ただ気になるのが同行者の扱いです。JALがホントに同行者1名までしか無料での(足元が広い座席の)座席指定を認めないとなるならば、家族全員3〜4人などで横一列でエコノミークラスの中央席最前列を指定する際は3人目以降に追加料金がかかるのでしょうか?
そう考えると、家族連れ旅行が多いJALステータスホルダーにとっては改悪といってもいいのかもしれません。
ANAは同一予約内の同行者なら無料のままですからね。
幸いなことに特典航空券によるエコノミークラスの予約時は対象外で、今まで通りステータスに応じた指定ができそうです。
まとめ
JALが国際線のエコノミークラスにおける有料の座席指定サービスを開始したので、先行しているANAと比較しながらまとめました。
JALはすべてのステータスホルダーが無料のままのようなので安心しましたが、唯一気になるのが「同行者1名まで」無料の文言です。
これを厳格に運用されると家族連れには手痛い改悪になっているのかもしれません。
また同行者の座席指定が基本的にコールセンターでの対応というのも頂けません。その辺はシステムの改修で対応してもらいたいものです。
2人目以上の同行者の取り扱いや予約の方法など、問い合わせれば解決する謎かもしれません。
ただ今はコロナ禍で国際線に乗れないから、そのうち解決するかなぁと様子を見ます(他力本願)。
まあすでに今から予約しようとすると来年の予約には適用されちゃうのですがね。