JALの国際線運賃ルールが2020年から2021年にかけていくつか改定されます。
それらは今までJALが大好きでJALの上級会員になりたくてJALばかりに乗って上級会員になるためのポイント「FLY ONポイント」を貯めていた人たちにとっては大きなニュースです。
段階的にいくつかの変更点がアナウンスされていますが、まとめていきたいと思います。
目次
JALの修行と上級会員サービスについて
JALに限らず世界中のフルサービスキャリアは、自社運航便をよく利用する人に向けた特別なステータスとそれに付帯する特典やサービスを用意しています。
そのステータスに到達する基準は「搭乗回数」だったり「自社ポイント」だったり「飛行マイル」だったり「利用金額」だったり色々です。
そして航空会社の上級会員になって特別なサービスを受けたいがために、その基準に達するように特定の航空会社に乗りまくることを「(エアライン)修行」と呼んでいます。
傍目から見たら異常な行動なのですが、今ではテレビでも取り上げれるぐらいメジャーになりつつある…かもしれません。
JALの修行については下記記事をご参照ください。
それによって得られる特典についてもまとめています。
画像は2020年年始を彩る空港の行列ですが、航空会社の上級会員になればこのような列はスルーして専用のカウンターを利用できたりします。
今回はJALの上級会員になるための方法の1つである「FLY ONポイント」を貯めることに関しての、JALからの変更点などをお伝えしていきます。
予約クラス「E」のマイル積算率が100%から70%に
これは以前からアナウンスされていましが、2020年10月1日搭乗分より、予約クラス「E」のマイル積算率が100%から70%に変更になります(公式サイト)。
現在のクラスEはプレミアムエコノミークラスの設定で、マイル積算率は100%となっています。
FLY ONポイント(FOP)はフライトマイルをベースに計算されるので、マイル積算率が下がれば付与されるFOPも当然下がります。
JAL国際線プレミアムエコノミークラスを利用したJALの修行は、運賃の割に100%加算としてのFOP付与率が良かったので人気の方法だったのですが、そのメリットが薄れてしまうわけです。
プレミアムエコノミークラスで100%のマイル積算率を目指すなら、2020年10月以降はエコノミークラスから移動してきた予約クラス「R」を選択する必要があります。
ANAはすでに同じような改定を行っていますが、ANAの場合はクラスEは100%積算率のままで70%積算率クラスNを新設しています。
JALの場合はクラスEが70%となりますのでご注意ください。
国際線航空券に含まれる日本国内区間の積算率の変更
上記のクラスEマイル積算率の変更が発表されたときは、FOPを貯める効率は下がるけどまだまだイケるという空気でした。
それは国際線航空券に含まれる日本国内区間の積算率がJALはまだお得だったからです。
- ファーストクラス|150%
- クラスJ|110%
- 普通席|100%
上記の積算率は国際線の予約クラスに限らず一律だったのです。
例えばJALのお得な国内線運賃である先得は75%の積算率です。それと比較すると往復1万円の国内乗継分を付けた国内区間分のマイル積算はとてもお得でした。
それが2021年2月1日以降では国際線の予約クラスによって乗り継ぐ国内区間のマイル積算率も変更となり、クラスEは75%となります。
国際線が70%になるだけでなく乗り継ぐ国内線も75%になってしまうのです。
すでにANAでは行われている対策ではあるのですが、ついにJALもココにメスを入れたということです。
搭乗ボーナスFOY ONポイントの変更
搭乗ボーナスFLY ONポイントは、予約クラスや搭乗運賃によって付与されるボーナスポイントで、400FOPがつくかつかないか(0FOP)の勝負です。
そして2020年1月31日搭乗分までは、国際線がフライトマイル対象なら乗継の国内区間は搭乗ボーナスFOP(400FOP)の対象でした。
それが2021年2月1日以降の搭乗では、プレミアムエコノミーのクラスEの国内区間では搭乗ボーナスFOPは付与されなくなります(公式サイト)。
往復では800FOPの損失なので、これもそれなりに影響が大きい改定になります。
予約クラスEの国際線アップグレード特典対象外
JAL国際線は予約した運賃が対象ならマイルを利用して座席アップグレードを申し込むことができます。
プレミアムエコノミークラスならひとつ上のビジネスクラスへの申し込みが可能です(空席次第)。
それが予約クラスEは2021年2月1日以降の搭乗だと、マイルを利用した国際線アップグレード特典の対象外となります(公式サイト)。
ビジネスクラスにアップグレードできたとしてもマイル積算率は元々の予約クラスのままなので修行に影響があるわけではないのですが、運賃がお得なプレミアムエコノミークラスで予約していて実際に利用するときは大量に貯めたマイルを利用してビジネスクラスで優雅に搭乗する、ということができていたのです。
大量のJALマイルの貯め方はこちら→
それが不可になるということです。
JAL国際線クラスEの悲哀
以上をまとめると、修行でさんざん愛されてきたJAL国際線プレミアムエコノミークラスのクラスEは以下のようになります。
- 国際線のマイル積算率が70%に
- 乗り継ぎ国内区間のマイル積算率が75%
- 乗り継ぎ国内区間の搭乗ボーナスFOPがゼロに
- 国際線のアップグレード特典がなしに
まさに踏んだり蹴ったりです。
FOPを計算してみましょう。最もFOPが多く貯まるだろう「沖縄ー東京ークアラルンプールのプレミアムエコノミークラス搭乗」です(実際はJALのクアラルンプール路線は成田発着なので結構利用しにくいルートです)。
今までは
- 東京ークアラルンプール|5,407FOP
- 沖縄ー東京|2,368FOP
- (沖縄ー東京に搭乗ボーナス400FOP含まれる)
- 20,000マイルでビジネスクラスにアップグレード可能
だったのが、最終的には
- 東京ークアラルンプール|3,905FOP
- 沖縄ー東京|1,476FOP
- (沖縄ー東京に搭乗ボーナスなし)
- 国際線でのマイルアップグレード対象外
となります。
つまり今までは片道で7,775FOP、往復では15,550FOPも稼げていたクアラルンプール線プレミアムエコノミークラス(沖縄発着)が、最終的には片道5,381FOP、往復でも10,762FOPの積算となるのです。
1行程で5,000FOPも減ってしまうので、その影響たるやかなり大きいものとなります。
ただ現在のところ予約クラスは2020年10月1日以降もクラスRばかりで、クラスRも国内発券でも海外発券でもそこそこリーズナブルな料金のままです。
- 国際線クラスEが70%になるのは2020年10月1日搭乗分以降
- 国際線クラスEの乗継国内区間が75%になるのは2021年2月1日搭乗分以降
- 国際線クラスEの乗継国内区間の搭乗ボーナスが無くなるのは2021年2月1日搭乗分以降
- 国際線クラスEのアップグレード特典が対象外になるのは2021年2月1日以降
一応変更の期日は上記のとおりで、JAL国際線クラスEが猛威をふるう兆しは今のところ見られません。ANAのときはすぐに影響がありました…^^;
ただFOPを貯めることも旅行の目的の1つならば、今後はプレミアムエコノミークラスの予約クラスにはきちんと注意をはらいましょう。
まとめ
JALが快適な座席で運賃までお得なプレミアムエコノミークラスのマイル積算率改定に乗り出しました。
最終的に全部の「改悪」が適用されるのは2021年2月1日以降なのでまだまだ先の話です。
また先駆けて国際線クラスEの積算率が落ちる2020年10月1日以降の運賃を見てもクラスRばかりなので、どこまで影響が出るのかは今のところ不透明です。
JALの修行として関係してくるのは2021年の修行僧達ですね。
ワタシは2018年にお得だったプレミアムエコノミークラスも利用してJALの修行を行いステータスを獲得しています。
今のところ再修行をする予定はないので今回の改定の影響は受けない予定ですが、心に留めておきたいニュースではありました。