東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトンリザーブ、それはウインタースポーツの聖地北海道はニセコに2020年にオープンした最上級ホテルです。
リッツカールトンというだけでネームバリューがある高級ホテルなのに、その中でもリッツ・カールトンリザーブは世界にまだ5軒しかない最上級ホテルブランドとなります。
そんなホテルなので泊まる人もセレブばかり。ウインタースポーツの時期だけでなく上質な宿泊体験を求めて1年中セレブが集うホテルです。
そんなホテルなので、世界中からニセコの上質なパウダースノーを求めて顧客はやってくる北海道の「NISEKO」において、このホテルの位置付けはよく分かりません。一日中山に行って滑りまくる人にとってはちょっとオーバースペックな気がします。
今回機会があって子ども2人を連れて雪豊かな時期にこのホテルに泊まってガッツリニセコの山を滑りまくってきました。
東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトンリザーブ(長いのでニセコリッツと呼びます)はニセコを楽しむに足るホテルなのか、ウインタースポーツをするために泊まる価値があるのか、まとめてみたいと思います。
ニセコリッツの子連れ宿泊体験についてはまた後でまとめるとして、今回はウインタースポーツに寄せた記事になります。
※我が家はスキーもスノーボードもできますが、今回は全員がスノーボードを選択しているので設備その他はスノボオンリーの話になりますが、スキーでも同じだと思います
上質なホスピタリティ
ニセコリッツはスイートを含む全50室のゲストルームがあり、その規模なのでクロネコヤマトの専用受付などはありません。
もちろんスキーやスノーボードなどは直接宿に送ることはできます。その際はフロントのベルデスク横に置いておいてくれます。
届いたスノボっていつもどうしています?もちろん自分でスキーロッカーまで運んでいますよね。
リッツニセコでは普通のことのようにスタッフが担ぎ上げて階段を降りて(フロントは1階、スキー専用出口は地下1階)スキーロッカーまで持っていってくれました。
そんなホスピタリティ知らないので申し訳なく思い、2つのうちの1つは自分で持っていきましたが。
ちなみに往復便でスキーグッズを返送するときもスタッフに預ければ手続きはしてくれます。楽ちん過ぎる(^^)。
最高過ぎるスキーロッカー設備
ニセコリッツのスキーロッカーはゲレンデが目の前にある地下1階(1階?)出入口のすぐ近くにあります。
ゲレンデまではちょっとも歩かないですね。ゲレンデまで徒歩0分、ゲレンデからスキーロッカーまで徒歩0分です。
そしてこのスキーロッカー、よくある「1部屋1ロッカー」…じゃないんです!!これだけでも最上級の賛辞を贈りたいと思います。
家族4人分のスノーボードを1つのロッカーに入れるのはホントにほんと〜に大変なんです。うちは子ども2人分は小さいので他のホテルのスキーロッカーでも四苦八苦しながらなんとか押し込めていますが、大きくなったら難しいです。
ニセコリッツのスキーロッカーは空いているところを好きに使っていい!と言われました。もちろん数的には部屋数プラスアルファぐらいなので無制限じゃないでしょうけど、今回の場合2つのロッカーを使わせてくれたので余裕ありまくりでした。
思うのですが、このホテルにガッツリ滑りに来ている人はそこまで多くないんじゃないかと思います。だからロッカー数にも余裕があるのでは…
そしてこのスキーロッカーも超ハイテク!写真でブーツを干しているとこ、これ温風が出ているんですよ!!
ビショビショで帰ってきても、ここに一晩干しておけば次の日はカラッと乾いています。
そしてその温風の恩恵はロッカー内全部に及ぶので、グローブとかスノボウェアとかネックウォーマーとか今まで他のホテルでは部屋に持ち帰って乾かしていた分も、ここに干しておくだけで次の日はほわほわに乾いているんです。
広々使えているのでもちろんそれだけ干せる余裕ありまくりです。バーや扉裏についているフックにウェアは引っ掛けることができます。この設備は本当に感動しました。このロッカーを一度使ったらもう他の設備には手を出しにくいです。
そしてこのスキーロッカーにはベンチがいくつかあるのですが、いつも利用者はいて1組か2組程度なので、スペース自体を広々と使うことができました。家族4人でベンチ使いまくりです。やっぱりこのホテルにはガツガツしたスキーヤーやボーダーは泊まらない説が濃厚です(いないわけではありません)。
床もいつも清潔で、ここで送ったボードをケースから出したり送り返す時にボードやその他を詰め込むときも誰の邪魔にもならずのんびりとすることができました。
ちなみにワタシが利用したのは1月の3連休を含めた4泊。繁忙期と言ってもいい時期でもそんな感じでした。
※もちろん混雑さは保証しませんが
スキーイン・スキーアウトはマジ
ホテルで目の前がゲレンデ!という謳い文句はよく目にしますが、それでもちょっと歩いたり登ったりすることはありますよね。ロッカーから離れていたりエレベーターに乗ったり。ニセコリッツはマジです。スキーだったらゲレンデ出入口を1歩出たらスキーを履いて出発できますし、入口の自動ドア直前まで滑って戻ることができます。
リッツニセコの出たところはこんな感じです。ホテルの出入口のすぐ目の前が銀世界です。
ただリッツニセコに一番近いリフト(ゴンドラ)までは多少距離があります。スキーならすぐに履いて滑って降りてすぐ脱げばいいだけですが、スノーボードだとゴンドラでどうせバインディングは両方外すということもありわざわざ履いて滑り降りる程の距離や傾斜ではありません。
いつも歩いてゴンドラ乗り場まで移動していました。ちょっと減点だった部分です。
このゴンドラは2020年オープンした東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトンリザーブに合わせて作られた(と思っている)最新のゴンドラで、利用するのもニセコリッツ宿泊者ぐらいなのでいつもガラガラです。
と言っても一応初級者コースの終着点ではあるので、ホテル専用ではありません。ただコースは初心者向けで緩やかすぎるので目の前をガッツリ滑っている光景は目にしたことがありません。
ニセコのパウダースノーをナイターまで楽しんで帰ってくる時は目の前の初心者コースを下ってくればニセコリッツのゲレンデ出入口直前まで滑って戻ることができます。これはまごうことなきスキーインスキーアウトです。完璧です。
ホテルに入れば清潔でアロマの香りが漂うスキーロッカーまで徒歩0分。ブーツはサンダルに履き替えウエアの上着までロッカーに入れて、身軽な格好で部屋まで戻ることができます(我が家は自前のクロックスを用意しましたがなんとクロックスまで用意してあります)。コンパクトなホテルなので動線も短く移動は全く苦になりません。最高です!!!
レンタルやゲレンデチケットもすぐに入手できる環境最高!
その最高of最高のスキーロッカーの真向かいにホテル専用のレンタルショップとリフト券を購入することができるチケット自販機があります。
東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトンリザーブを予約すると宿泊1ヶ月半前ぐらいにホテルからメールが届き、送迎からレストラン案内などあらゆる必要とする情報が載っていました。
その中にリフトパスやレンタルのことについても案内されています。
レンタルについてはその案内に載っているURLにアクセスして事前予約をすることになっているようです。
※↑は画像なのでクリックしてアクセスできませんが別にURLが秘密なわけではありません
ちなみにURL先は英語でしたが予約する分にはさほど難しいことはなく、レンタルショップのスタッフは日本人または日本語ペラペラだったので心配はいりません。
このレンタル、特に事前に支払いが必要なわけではないので予約しておいた方がサイズなどを合わせて準備しておいてくれるのでスムーズですが、スキーロッカーがガラガラだったようにこのレンタルショップも混雑しているところは見たことはなく、直接利用しに行っても問題ないように感じました。
※ただ子どものサイズはあるかどうか保証できないのでやはり事前予約をおすすめします…
あとゴーグルや手袋など多少は購入することもできますが品揃えはかなり少なく、ホントに必要なものはヒルトンニセコビレッジに隣接(ホテル内ではない)するショップまで行く必要があります。
リフトパス、リフト券についてはちょっと難しいところです。ニセコと一律呼ばれますが、ご存知のように実は「ニセコユナイテッド」と総称される4つのスキー場が存在します。そしてそれだけリフト券も存在するのです。
※他にも8時間券とかポイントとかチャージとかなんやかんやあるらしいですがメジャーなものだけ取り上げます
- ニセコ全山共通券
- ニセコビレッジリフト券
- アンヌプリ国際リフト券
- ニセコビレッジ/アンヌプリ共通リフト券
- グランヒラフ/HANAZONO共通リフト券
全山共通券は4つ全てのスキー場のリフトを利用でき、さらに各スキー場の麓を巡回するユナイテッド巡回パスも無料で利用することができます。
※バスはお金を払えば誰でも乗れます
その他のリフト券はそれぞれの名称通りのスキー場に属するリフトしか利用できません。
そしてリッツニセコの自販機で購入できるリフト券は「ニセコ全山共通券」と「ニセコビレッジリフト券」のみとなっています。
もし他のリフト券が欲しかったら歩くなり滑っていくなりしてお隣のヒルトンニセコビレッジに併設されているリフト券売り場に行く必要があります。
まあ歩いていけないこともないのですが、滑っていくとなると最初のゴンドラに乗るためのリフト券が必要で結局その2つから選ぶしかないことになります。
今回4泊しましたが、購入したのは初日に午後からナイターを滑るための「ニセコビレッジ午後券」2日目に「ニセコビレッジ1日券」、そして3日目に「ニセコ全山共通券の2日券」を購入しました。
実は購入する1枚毎に500円のデポジットというか発券料がかかっていてそのお金は払い戻しがありません。なのでなるべくまとめて3日券や4日券を買った方がコストが下がるのですが、そこは家族の体力や滑る技術、そして天候を考えなくてはなりません。
初日は久しぶりに滑るので慣れるまで4つのコースを行くのは無理です。また悪天候だとリフト自体が止まって他のスキー場に移動できない可能性もあります(麓のバスを利用すれば移動できますがそんな悪天候の中わざわざ他のスキー場に行くのは辛いものがあります)。高い買い物なので毎日体調や天気を考えながらどのリフト券を購入するか検討していました。
ちなみにリフト券はネットでも購入でき、この自販機から発券することができます。もちろんネット経由だと値引きがあります。しかも利用する直前にネットで購入して直ぐに自販機から発券し利用することもできます。
今回は慣れてなくて面倒に感じてしまったので割引無しで購入しちゃいましたが、使い方が分かっていれば滑る当日朝にネット経由で購入し、ここで発券するのが賢い利用方法です。
その他コンビニで買った方が安いとかJAFの割り引きが効いたりとか色々安く買う方法はあるようです。しかしリッツニセコには自販機しかないのでそういう融通は効きません。
しかし、しかしですね、なんかこのリッツ・カールトンリザーブに泊まっていると、こんなゴージャスなホテルに泊まっていてそんなところでケチってどうするの?という不思議な感覚に囚われて、すべて定価で買っていました笑。手間より便利さを優先した感じです。
ちなみにスキー場のことで分からないことがあったらスタッフが普通に詳しかったですし(最初に説明してくれる)、手が空いていたらレンタルショップの人も教えてくれます。
あとリフトの営業時間や各スキー場連絡路閉鎖時間など、土日だと開始や終わりがちょっと早くなったり遅くなったりするのですが、公式サイトだと通常の時間しか載っていないので逐一情報の確認が必要です。
隣接するスキー場がニセコビレッジなのは予想通り残念!
ニセコといえば「アンヌプリ国際」「ニセコビレッジ」「グランヒラフ」「花園」4つのスキー場のすべてを指し、正式にはニセコユナイテッドと呼ばれます。
一番人気は「グランヒラフ」です。上質な雪に多彩なコース、ロングリフトやゴンドラなど揃いも揃っています。
隣の「花園」は実質2−3コースしかないのですが、長く広く滑りやすいレイアウトで、しかも山の陰に入っているので上質な雪が長く残っていて隠れた人気があります。新しく設置された10人乗りゴンドラは驚愕の一言です。
「アンヌプリ国際」は斜度はやや甘めなのですが、麓に近い初心者・中級者コースがとにかく広く、また初級者でも木の間を縫って滑る簡単なツリーランが体験できるコースです。ゴンドラがやや古いですが、リフトを3つ乗り継げばゴンドラと同じ高さまで上がれるのも便利です。
そして「ニセコビレッジ」、ニセコの名を冠するスキー場なのですが長いのはいいのですがちょっと細いんですよね。初級者コースは迂回路のような狭いコースでメインは中級者コース。すごく滑れる人ならそんな不満は無いのでしょうが、初心者の子ども連れで滑るにはちょっとつらいところです。
満足に高い位置から滑るにはヒルトンニセコビレッジから出ているゴンドラ1本に乗るしか無い、というのもイマイチなところです。並ぶ時はすごく並ぶんですここ…。
まあ日中は他のスキー場に移動すればいいだけの話かもしれませんが、問題はナイターです。
はっきり言ってナイターで滑れるコースはニセコビレッジが一番しょぼいです。短いし設備もしょぼいしコースもしょぼいです。
ナイターで動いているリフトは2本、1つはファミリーリフトでコースも笑っちゃうほどなだらかです。もう1つも初級者用リフトでコースは易しめです。しかもこの2つが離れていて移動のコースもかなりなだらかです。
※2023年冬情報
スキーヤーならあまり問題ないですが、スノーボーダーだと途中で止まって歩くこともしばしばあり非常に利用しにくいコースでした。離れた方に着いてしまえばこっちはそれなりに楽しいのですが、短く実質1コースしか無いのではっきり言って飽きます。ナイターは4時からで7時まで滑れますが、5時には飽きます。
また全山共通券があれば他のスキー場のナイターも利用できるのですが、4時過ぎるとコースの高い方にある連絡路はリフト・ゴンドラとともに閉鎖されるので、バスで戻ってこないといけません。このバス1時間毎しかなくしかも混みます。また各スキー場間も30分ぐらいかかるので、遠い花園スキー場のナイターを滑ったら帰ってくるのに1時間はかかります。子連れにはかなり辛いです。
しかも各スキー場間を移動するユナイテッド巡回バスはニセコリッツには止まりません。近くのヒルトンニセコビレッジで降りるしかなく、ナイターの時間帯なら滑って戻れますが過ぎていたらホテルに電話して迎えに来てもらわなくてはいけません。
※東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトンリザーブはヒルトンニセコビレッジまでの送迎を無料でしてくれます
ニセコビレッジは非圧雪コースが充実していてエキスパートの人たちには人気が高いのですが、初心者〜中級者レベルだと滑れるコースは実質1本しかなく、しかもナイターが極ショボです。
※一応付け加えるとニセコビレッジのナイターコースは低い位置にあり林に囲まれているので風が弱めで寒さも柔めとなり子連れで2日ぐらい楽しむ分には十分だと思います
さらにリッツニセコに隣接するゴンドラ(ビレッジエクスプレス)もナイターに対応してないので(16時まで)、隣接するコース自体はニセコリッツ宿泊者のためだけに開けてくれている(すごい!)ので滑って戻ることはできるのですが、ナイターの時間帯に入ってホテルに戻ったらそこから再出発できないのです。
まあヒルトンニセコビレッジまで歩いていけなくもないしホテルの人に送ってもらうことも可能ですが、それよりもナイターに入ったらどこでどこまで滑るか、帰りは手段はどうするのか、かなり考えないといけません。
東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトンリザーブはウインター設備は素晴らしくスキーインスキーアウトは完璧なレベルなのですが、隣接するのがニセコビレッジという点だけは残念なところです。
あと子連れということでは、小さな子がソリで遊べるような設備はありません。ヒルトンニセコビレッジにはあるんですけどね。
今回は4日間で、13歳と8歳のスノボ初級レベルの子どもを連れてリフトの最頂上も含めて全スキー場に行くことができました。上の写真はグランヒラフのリフトで行ける一番高いところです。ココは非圧雪コースしかなくめちゃめちゃ怖かったです^^;。
子連れで良かったのは、昼間は「アンヌプリ国際」、ナイターなら「花園」です(行けませんでしたがコースと設備的には子連れナイターはココが一番いいと思います)。一番人気のグランヒラフは人が多すぎるしナイターは寒すぎました。
まとめ
世界で5軒しかないリッツ・カールトンリザーブ、その1軒である東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトンリザーブにホテルを楽しむためではなくスキー/スノーボードを楽しむために泊まってきました。
子どもを連れた家族4人での旅行でしたが、最新の設備に最高のホスピタリティが伴っていて、ウインタースポーツを楽しむためにも十分泊まる価値があると思います。
ただ売っているリフト券が限定的だったりナイターを十分に楽しめなかったりと、やや不満な点もありました。
そしてスキー場に隣接するホテルと言えば、ウインター設備以外も気になるところですよね。特に食事とか。その点はまた別の記事にまとめたいと思います。
簡単に言うと食事はゲレンデで食べるプランをしっかり考えたほうがいいと思います。ゲレンデのお店は早めに閉まっちゃうので、昼ごはんは遅め、夜ご飯はナイター後のホテルで、というプランがいいですね。
ちなみにこのホテル普通に予約したら朝食込みで1泊25万円、4泊で100万円する時期に泊まってきましたが、もちろんそんなに払えるわけがありません。
その秘密は…ご存知のとおりです。あ、マリオットボンヴォイのプラチナステータスの恩恵も皆無でした。またブログに書きます。
まあいくら最高of最高のホテルでもこの金額を払ってまで泊まってニセコを満喫するのは流石に不可能ですけどね。