消費税増税に対する増税感を和らげるために政府が主導する「キャッシュレス・消費者還元事業」は、我々国民からするとよく分からなくて、結局現金のほうが分かりやすいんじゃないと思わせてくれるさすがの国策です。
ただ普段からキャッシュレス決済を愛用している場合は、せっかくなのでその恩恵を受けたいと思うのが普通です。
ワタシは電子マネーの1つで草分け的存在であるEdyがANAカードに引っ付いてきた時以来電子マネーを愛用しているので、他人事ではありません。
消費者還元事業の対象となるキャッシュレス決済方法には「クレジットカード」「QRコード決済」「電子マネー」「デビットカード」「モバイルウォレット」などが含まれていますが、この中で電子マネーだけが消費者還元の恩恵を受けるためにちょっと手間がかかるようなのです。
そこで下記表にある主な電子マネーについて、消費者還元事業の恩恵を受けるための方法をまとめてみました。
登録 | ポイント還元の方法※ | 上限 | |
楽天Edy | 不要 | 手動 | 2,500ポイント/決済 |
nanaco | 不要 | 手動 | 50,000円/チャージ |
WAON | 不要 | 手動 | 15,000ポイント/月 |
Suica | 必要 | 手動 | 20,000円/チャージ |
PASMO | 必要 | 手動 | 20,000ポイント/3ヶ月 |
manaca | 必要 | 手動 | 20,000円/チャージ |
ICOCA | 必要 | 手動 | 15,000円/月 |
nimoca | 不要 | 手動 | 20,000円/チャージ |
SUGOCA | 不要 | 手動 | 20,000円/チャージ |
PiTaPa | 不要 | 半自動 | 50,000円/月 |
Kitaca/TOICA/はやかけん | 未参加 |
※貯まったポイントを実際に有効利用するために何かしらの手続きや操作を必要とするのに手動か自動か
※ポイントが貯まること自体は自動
目次
楽天Edy(Edy)|還元分のEdy受け取りが必要
ワタシが最も愛用している楽天Edyは、登録は必要ないけど専用の機械・楽天Edyアプリなどでの受け取りが必要となります。
- STEP01楽天Edyで支払い
「キャッシュレス」のマークが有る加盟店で支払い - STEP02還元分のEdyを受け取り
指定された方法で還元分をEdyとして受け取る
楽天Edyの場合、利用前の登録は必要ないので「受け取り作業」が大切ですね。
- 支払日から30日後をめどに還元分をEdyとして付与
- 付与日から90日間の受け取り期間で受け取り|支払い後30〜120日後をめど
付与されるタイミングが遅めで、しかも受け取り期間をすぎると無効になってしまうので、非常に困った仕様です。
Edyとして還元分を受け取ってしまえば期限はないので、還元できるEdyを見つけたらすぐに受け取ることが重要でしょう。
還元分のEdyを受け取る方法はいくつかあります。
- Famiポート
- 赤いチャージ機
- ANA国内線自動チェックイン機
- 楽天Edyアプリ
- Edy Viewer(PC)
受け取り方法は公式ページをご参照ください。
ワタシのようにおサイフケータイとしてEdyを利用している場合は楽天Edyアプリがインストールされているはずなので、それで解決です。
ただ日本人が利用するスマホの半分はiPhoneでiPhoneのおサイフケータイ機能ではEdyは利用できないので、楽天カードやANAカードなどの楽天Edy機能があるカードで決済することも多いと思います。
その場合は受け取るための機器を利用する必要があり、ひと手間あります。その手間を考えると、Edyはキャッシュレス決済・消費者還元事業にはあまりマッチしていませんね。
大手コンビニは「大手」なので本来消費者還元事業の対象外なのですが、フランチャイズ参加の店舗では対象となっています。
「キャッシュレス」の表示だけではなく「2%還元」と物販されている店舗が対象になるので注意しましょう。
コンビニなど「購入金額へのポイント等相当額の即時充当」により還元される店舗での利用では、その場で還元されるのでEdyなどでの還元はありません。
Edy、今は楽天Edyですが、はSuicaやその他のサービスの猛追を受けていますが、累計発行枚数的にはまだナンバーワンです。ワタシはEdyにチャージするとANAマイルが貯まるANAカード(ANAVISAプラチナプレミアム)を利用しているので、Edyが支払いの中心となっています。
nanacoやWAONのポイント還元事業への参加について
nanaco(公式ページ)やWAON(公式ページ)もキャッシュレス・消費者還元事業に参加しています。その対応はEdyとほぼ同じで、
- 事前の登録は不要
- 各ポイントへ自動還元
- 還元されたポイントはチャージ(交換)しないと利用できない
です。
ポイントをチャージや交換して利用できるようにするには、ネットを利用して情報を集めるような人じゃなければ、それなりに高いハードルとなります。ぜひ周りの詳しそうな人に聞くか、やっちゃってもらいましょう。
交通系電子マネー
現在交通系電子マネーは多くの種類がありますが、日本全国ほぼ同様に「交通系」として利用できます。ただ消費者還元事業への対応についてはそれぞれの電子マネーによって異なってくるのです。
- Suica
- その他の交通系電子マネー|PASMO/manaca/ICOCA
- nimoca
- SUGOCA
- その他の交通系電子マネー|PiTaPa/Kitaca/TOICA/はやかけん
上記の(ワタシにとって)代表的な交通系電子マネーのキャッシュレス決済・消費者還元事業の対応についてまとめたいと思います。
Suica|消費者還元事業への対応
交通系電子マネーで最もユーザーが多いと思われるSuicaの対応です。公式ページはこちら。
- STEP01Suicaのキャッシュレス・消費者還元事業の概要
消費者還元事業対象店舗でJRE POINT WEBサイトに登録したSuicaで買い物をすると、最大5%JRE POINTで還元されます。 - STEP02還元ポイント数
- 還元ポイント数は5%|20円に付き1ポイント
- フランチャイズ店舗は2%|50円に付き1ポイント
- STEP03
JREポイントの還元は利用翌月の上旬にまとめてです。 - STEP04
還元されたJREポイントは1ポイント1円としてSuicaチャージに利用できる他、商品の交換など様々な利用方法があります(公式ページ)。
Suicaの場合JRE POINT WEBサイトに登録しないと消費者還元事業の恩恵を受けれないところが一番のポイントです。
SuicaはJRE POINT WEBサイトに登録が必要
おそらくこの時点で多くの脱落者が発生するのが容易に想像できます。
そして最も利用しやすい「Suicaへのチャージ」に関してもサイトからチャージを申し込む必要があります。
我々みたいにこの記事を読んでいる人(ネットを利用して調べ物ができる層)はおそらく対応できないこともないでしょうが、首都圏でSuicaを愛用している人たち(特に現金チャージオンリーな方々)は、消費者還元事業の恩恵を受けれないままになってもおかしくない仕様です。
ただコンビニみたいにその場で還元分を即時充当される店舗の場合は心配いらないわけです。ただその見分けすら基本的には分からないですよね…
その他の交通系電子マネー|PASMO/manaca/ICOCA
その他の交通系電子マネーの中でもPASMOやmanacaやICOCAはSuicaと同様に登録が必要です。
PASMO | PASMOキャッシュレス還元ポイント還元サービスに登録 →公式ページ |
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manaca | ミュースター会員登録 →公式ページ |
ICOCA | ICOCAポイント利用登録 →公式ページ |
主要都市圏で活躍するPASMOやmanacaやICOCAも公式ページから会員登録を行った上でWEB登録等がが必要になります。
WEB登録が終了していれば、それぞれのポイントに還元ポイントがそれぞれのタイミングで付与されます。
またこれらのサービスもSuicaと同様に還元ポイントをチャージしないと最終的に還元が終了されないサービスとなります。
- PASMO|指定された場所に行きPASMOにチャージする必要あり
- manaca|ミュースターポイントに自動付与→manacaにチャージが必要
- ICOCA|まとめてICOCAポイントに自動付与→ICOCAチャージが必要
nimoca|消費者還元事業への対応
九州の西日本鉄道株式会社が母体である交通系電子マネーのnimocaも消費者還元事業に参加しています(公式ページ)。
nimocaはWEB登録は不要です。
- STEP01消費者還元事業参加店舗での利用
- 中小企業・小規模事業者運営店舗:5%
- コンビニエンスストア等フランチャイズチェーン店舗:2%
- STEP02還元元のnimocaカードすべてのnimocaカード|無記名式 ・ 記名式(スターnimoca・クレジットnimoca)※Suicaは無記名式のものは対象外STEP03還元タイミング翌月20日頃にnimocaセンターポイントとして付与STEP04ポイントの利用方法翌月20日頃にnimocaセンターポイントとして付与
nimocaは登録の必要もなく無記名式を含む全てのnimocaカードがキャッシュレス決済還元の対象になります。
ただ付与されるnimocaセンターポイントのままでは利用できないので、ポイント交換機を利用してnimocaにチャージなどをする必要があります。
SUGOCA|消費者還元事業への対応
JR九州の電子マネーであるSUGOCAも対象です。利用方法としてはnimocaとほぼ同じで
- 登録は不要
- すべてのSUGOCAカードが対象
- 付与される還元ポイントはJRキューポ
- JRキューポはIC対応自動発券機で電子マネーに交換
- JR九州Web会員IDに記名式SUGOCAを登録すれば他のものにも交換可能(公式ページ)
SUGOCAのnimocaと同様で、とりあえず利用していればポイントは還元されていきますが、最終的に利用するためには何かしらの作業が必要になります。
その他の交通系電子マネー|PiTaPa/Kitaca/TOICA/はやかけん
その他の交通系電子マネーのなかでPiTaPaはキャッシュレス・ポイント還元事業に参加が決まっていますが、KitakaやTOICA、はやかけんなどはポイント還元事業に参加しておらずポイント還元の対象ではありません。
ただセブンイレブン・ファミリーマート・ローソン・ミニストップのコンビニ4社は、決済時に即時ポイントを充当することで2%分値引き還元となります。
ですのでコンビニで「キャッシュレス・2%還元」を掲げてあって、その対応決済手段にロゴが載っていれば、ポイント還元事業に対応してない交通系電子マネーを利用しても即時2%値引きとなる可能性はあります(たぶん還元されます)。
個人的にはそこまでして無理やりその決済手段を利用する必要はないと思いますが…
交通系電子マネーのポイント還元事業参加の特徴
ポイント還元事業に対応しているクレジットカード会社や交通系以外の電子マネー(Edyやnanaco, WAON)、そしてQRコード決済サービスは例外はあれど基本的に事前の登録(準備)は必要なく、還元されるポイントもクレジットカードなら引き落としの相殺やカード会社のポイント、QRコード決済サービスのポイントに直接還元されるなどして手間がほとんどありません。
しかし交通系電子マネーだけはなぜか事前のWeb登録が必要だったり、還元されたポイントを利用するためにもうひと手間が必要になったりとハードルが上がっています。
おそらく気軽に利用できる無記名式のカードが対応を複雑にさせているのではないかと思いますが、最も気軽に利用できるはずだったキャッシュレス決済サービスが、ポイント還元事業では最も利用しにくいサービスになるとは皮肉なものです。
またお買物ポイントに対応していないからなどの理由はあるのですが、ポイント還元事業に参加していないサービスが複数あるのも驚きました。
還元事業の詳細を知らなければ、キャッシュレス決済サービスは例外なく参加しているものと一般的には考えてしまうものですから。
キャッシュレスポイント還元事業への対応はどうするか
今のところではありますが、キャッシュレスポイント還元事業は2019年10月から2020年6月と期限が決まっています。
対象店舗は中小企業(5%)やフランチャイズ店舗(2%)となっていますが、Amazon(出品元によって対象ありなし)なども参加しているため、短い期間とは言えもらえるポイント(=キャッシュ)を取りそこねるのは悔しいですね。
クレジットカードやQRコード決済サービスの方が手間は少なそうですが、コアな層だけでなく広く利用されているという意味では交通系や非交通系の電子マネーのほうが利用層が多そうです。
ただ今回電子マネーのキャッシュレス決済・消費者還元事業への対応を調べてみると、登録が面倒だったり、チャージが手間だったり、結局1回の決済額が少なくて数円から数十円程度なのでスルーしたりと、ポイント還元の恩恵を受けれず無駄にする人もかなり多そうな感じです。
結局うまく回らないのは「政府の愚策」としか言えないのですが、それでも始まってしまったサービスです。できれば利用する電子マネーを1つに絞って、それだけでも登録や還元の方法を学んでおくことをおすすめします。
コンビニなら即時2%還元なので、コンビニだけはどのサービスでもいいので絶対にキャッシュレス決済を利用しましょう
まとめ
他の方のブログなどを読んでいて、キャッシュレス決済サービスの中で電子マネーだけ妙にハードルが高いことが頭に入っていました。
しかし実際に始まってみても自分で調べてみないと分からないので、ワタシがよく利用するサービスを重点的に調べてみました。
ワタシはSuicaもEdyもSUGOCAもnimocaも会員になってWebサービスを登録・利用していたので、最初の「登録」と言う段階はすでにクリアしていました。
ただクレジットカードやQRコード決済と違い「ポイントの受け取り(チャージ)」と言う手間まであるサービスがいくつもあり、一言「めんどうだな」と感じた次第です。
正直クレジットカードが利用できるならそれが1番です。ただクレジットカードにも手間がかかる例外があるので注意が必要です。
だいちぃマイルで子連れ旅行4 Users8 Pockets【JALカード利用者は必見!】国のキャッシュレス5%還元に罠が。ご注意ください!https://www.traveler-da1.com/entry/jalcard-cashless-cautionJALマイルを貯めようと、JALカードを利用している方は、必ずこの記事を読んでください。 2019年10月から…ポイント還元に関してはそのサービスによって月ごとまたは期間ごとに上限が決められています。ただその上限(例として5%還元でも月に30万円の利用など)を突破するほど利用することなんて多くの人にとってはありえないと思うので、手間がかからない決算方法を数個決めて、それだけでも準備しておくと良いのかもしれません。
自分で書いておいてなんですが、見直しても見直しても各サービスごとの対応が違うのでまとまりが悪く、分かりにくい記事になってしまいましたm(_ _)m