ダイナースクラブカードは三井住友トラストクラブが発行する知名度抜群のハイステータスなクレジットカードです。その知名度はアメックスと双璧をなしており、クレジットカード5大国際ブランドの一角を占めるに至っています。
しかしそうは言っても紆余曲折があり、現在では利用できる地域も少なくただただ名前だけが先行している感がある残念なクレジットカードとみられることもしばしばです。
その理由はいろいろな施策が後手に回ったり制度の改悪が続いて人気が下がっていることなども考えられますが、後手に回っているものの一つに「3Dセキュアへの対応の遅れ」が含まれていました。
ワタシのクレカ師匠であるMMさんも激オコな案件だったのですが、2019年7月にいつの間にやら3Dセキュア(クレジットカード本人認証サービス)への登録が可能となっていました。
今回はダイナースクラブカードがやっと対応した本人認証サービスへの登録についてお伝えしたいと思います。
3Dセキュアとは
3Dセキュアとはインターネット上でクレジットカード決済をより安全に行う本人認証サービスのことです。VISA, Mastercard, AMEX, JCBそれぞれ名称は異なりますが、まとめて3Dセキュアと呼んでいます。
- VISA|VISA Secure(VISA認証サービス)
- Mastercard|Mastercard SecureCode
- AMEX|American Express SafeKey
- JCB|J/Secure
- Diners Club|ProtectBuy←NEW
この度提供が始まったダイナースクラブの名称はProtect Buyです。
そして3Dセキュアにはバージョン1とバージョン2があります。
3Dセキュアのバージョン1ではクレジット決済画面で各国際ブランドの本人認証画面へと推移し、そこで決められたパスワードを入力することになります。
例えばVISA Secureでは上記のような画面となり自身が設定したパスワードを入力する必要があります。
この方法はパスワードを忘れたらどうしようもないと言うことと、そのパスワードすら漏れたらやはりセキュリティは突破される可能性がなくもないという弱点がありました。※静的パスワード
3Dセキュアのバージョン2では静的パスワードの代わりにトークンベース(識別する文字列)の認証および生体認証を使用します。いわゆるワンタイムパスワードです。※動的パスワード
動的パスワードは都度変化するパスワードなので、より安全性が高まるとともにパスワードを覚えておかなくてはいけないというデメリットがなくなります。
ワンタイムパスワードは現在ではスマートフォンアプリやEメールで提供されることが多いですが、ダイナースクラブカードの場合はスマホアプリまたはショートメール(SMS)で提供されます。
弱点はネットワークへの接続が必要という点でしょうか。
3Dセキュアを利用するにはカード発行会社を通して申し込む必要があります。簡単なのは「(カード発行会社) 本人認証 申し込み」などと検索してみることです。
例えば「楽天カード 本人認証 申し込み」で検索すると、上画面のように楽天カードの本人認証サービス申込画面を調べることができます。もちろん対応していなければ申し込めません。
ダイナースクラブカードで本人認証サービスを登録
ダイナースクラブブランドのECネット取引における本人認証サービス導入については昨年に案内されていて2019年夏に開始予定となっていたのですが、実際に2019年7月から登録できるようになっています。
ダイナースクラブカード/プレミアムカードの本人認証サービスはダイナースのオンラインサービス「クラブ・オンライン」で申し込むことができます。
クラブ・オンラインにログインすると最初のお知らせの画面に「本人認証サービスご利用登録について」と言う項目があるので(2019年7月現在)、利用登録の案内ページにアクセスします。
本人認証サービスの登録画面では「登録を推奨」しています、と載っています。実際登録しなくてもクレジットカードとしては何ら問題なく利用できます。
またECネット取引におけるサービスなので、一般店舗で利用する時は全く関係ありません。
昨今のカード犯罪手口を考えれば本人認証サービスの導入によりより安全にクレジットカードを「ネット決済で」利用できるようになります。ただ3Dセキュアのバージョン1でも2でも、パスワードをさらに入力するという手間が増えるのは間違いありません。
リスクとベネフィットをよくよく考えましょう。
クラブ・オンラインの本人認証サービス登録画面を見ると、本人認証サービスを解約することもできるようです。
しかしこの3Dセキュアのシステムは、よく利用して(利用者本人に)安全と確認されたサイトだと入力画面を端折るようにだんだん学習していくらしいので、わざわざ解約する必要もないとは思いますが、覚えておきましょう。
登録するダイナースクラブカード/プレミアムカードの諸情報を入力します。当然のようにかなり厳重な入力内容です。
ダイナースクラブのProtect Buyではワンタイムパスワードの認証方式を選択することができます。
- アプリ型|アプリ上でパスワードを表示
- SMS型|サービス利用時にパスワードをSMSで都度受信
アプリ型は現在提供されているダイナースクラブカード専用アプリでワンタイムパスワードを都度確認する方式です。アプリ型の場合、アプリで登録できるダイナースクラブカードは1枚です。
※2枚目以降はSMS型で登録する必要あり
※同名義なら1枚登録すれば、名義が同じすべてのカード(法人カードを除く)が同じパスワードで利用できる
SMS型はサービス利用時にワンタイムパスワードを登録した電話番号のSMSで都度受信します。
アプリ型は能動的に確認、SMS型は受動的に確認、と言う感じです。SMS型の方が楽そうなので、ワタシはSMS型を選択しました。
※後に変更可能
【パーソナルメッセージとは?】
巧妙な手口で3Dセキュアの詐欺サイトに誘導された場合、自分が設定したパーソナルメッセージの表示で安全かどうかも確認できる仕組み
問題はどちらのサービスもネット通信可能状態じゃないと役に立たないと言うことです。本人認証サービスを利用する時はインターネット決済時なので、まあ同時にネット通信不可状態になっていることもあまりないとは思いますが。
ただ状況としてゼロでもないので注意が必要でしょう。
以上で登録が完了です。
家族カードの登録はクラブ・オンラインの本人認証サービス登録画面から家族カードに切り替えて再度別途登録する必要があります。
まとめ
ダイナースクラブカードも3Dセキュアに対応して、やっと世界標準レベルになりました。
これでクレジットカードの5大国際ブランドのすべてが3Dセキュアに対応したわけですが、手持ちのクレジットカードが3Dセキュアに対応しているかはブランドではなくクレジットカード発行会社が3Dセキュアに対応しているかがポイントです。
3Dセキュアに対応していないクレジットカードも無くはないので、ネット決済で3Dセキュア対応必須の場合はそのクレジットカードは利用できません。
もちろんこの3Dセキュアではリアル店舗でのクレジットカード犯罪を防げるものではありません。パスワード入力がユーザーの手間になるためあえて3Dセキュア対応にしていないサービスサイトもたくさんあります。
あえて登録しなくてもよいこの本人認証サービス「3Dセキュア」ですが、例えばワタシが愛用しているドットマネーモールでコンテンツ購入時にこの3Dセキュア確認画面が表示されると非常に安心したものです。なぜならちょっとだけ怪しいサービスと思っていたからです^^;。
自身の安全のためのものでしかありません。よく考えて登録しましょう。
ダイナースクラブカードと言えば、いよいよコンパニオンカードの提供が開始になりますね。
いつもご紹介ありがとうございます!例えばパリの著名でないちょっと郊外のミシュラン店舗ではアメックス・ダイナース使えず、そういう時にはマスターカードが使え、3Dセキュア対応になってこのサービスは本当にいいですね。金属製になるともっと気になる存在になります!
MMさん、ありがとうございます!
ダイナースにとっては苦肉の策だとは思いますが、
年会費無料なら何でもいいです笑。
しかしワタシの中でラグジュアリーカードの行く先がますます混迷を極めてきました。
もう少しポイント還元率が高ければ使い勝手もいいのですが…。