航空会社のビジネスクラス、昔はビジネスマンだけが利用できるシートだと思っていたのですが、実はただただエコノミークラスよりゴージャスなサービスを受けることができるお高いシートということを知ったのはそう遠くない最近です。
しかしゴージャスなサービスが提供されるだけあってお値段も高めです。それこそホントにビジネスマンとして会社の経費で乗ることができるのなら抵抗ないのですが、プライベートでお金を払って乗るぐらいならエコノミークラスで我慢する、と言うのが一般人の発想です。
そんな一般人のワタシですが、この度デルタ航空のビジネスクラス「デルタ・ワン」に搭乗する機会に恵まれたのです。
デルタ航空は日本ではあまり馴染みのない航空会社なのでデルタ・ワンを利用したことがあるヒトも日本の航空会社であるJALやANAと比較すると少ないと思われます。
今回はそんなデルタ航空のビジネスクラス「デルタ・ワン」の子連れ搭乗記をお届けしたいと思います。
デルタ航空のエリートステータス「メダリオンプログラム」とデルタワンに搭乗するきっかけとなったデルタメダリオンアメックスゴールドカードについては下記記事をご参照下さい。
目次
デルタ航空とは
デルタ航空とは?から初めなくてはイケないほど、日本では馴染みのない航空会社がデルタ航空です。
しかしその正体はエアライン3大アライアンスの1つ「スカイチーム」の盟主です。
・ワンワールド
・スターアライアンス
・スカイチーム
アメリカの航空会社ですが、世界各地にネットワークを張り巡らせています。日本でのホームは成田空港になりますが、その他関空、名古屋、福岡から国際線を飛ばしています。
しかし日本のスカイマークとの業務連携に失敗し(スカイマークのせい)、日本国内線との連携が貧弱なためJapanではJALが所属するワンワールドやANAが所属するスターアライアンスに後塵を拝しています。
羽田空港国際線の発着枠が取れなかったことからすでに日本は諦め気味で、アジアでのホームを仁川国際空港に移しています。
そんな状況なので、デルタ航空は成田空港を除けば、関空から2航路(シアトル、ホノルル)、名古屋から2航路(デトロイト、ホノルル)、福岡から1航路(ホノルル)しか路線を持たず、日本人にとってはそれほど馴染みがあるエアラインではありません。
それでも日本人大好きホノルル路線を実はそこそこ巡らせています。おそらく採算がとれるのでしょう。福岡からも1便よく残してくれているものだと思います。今回ワタシが利用したデルタ航空はその福岡ーホノルル直行便だったのです。
が!この記事の下書きを書いた後の2019年1月16日、デルタ航空が福岡ーホノルル線を2019年5月に撤退するとのニュースが流れました。この記事もただの思い出話になっちゃった( ;∀;)。
デルタ航空福岡ーホノルル直行便の機材
今回ワタシが利用したデルタ航空福岡ーホノルル便の機材はボーイング767-300です。登録が1997年ぐらいの機材で、最新のデルタ・ワン仕様となっているヘリンボーン仕様ではなく、スタッガード仕様となっています。
実写があるので分かるように、ワタシが利用したのはデルタワンのスタッガード仕様の機材です。
今回利用したホノルルー福岡の直行便の合計飛行時間はなんと10時間23分。これはもう中距離とは言えない飛行時間です。通常ホノルルー東京は向かい風の影響もあり8時間半ぐらいのフライト時間です。まさかそこから福岡に行くのにプラス2時間もかかるとは思わず、エコノミーシートだとかなりきつかったと思います。
それがビジネスクラスに乗れたため、10時間を感じさせない非常に快適な旅となりました。
元々はエコノミークラスの予約だったのに、なぜデルタ航空のビジネスクラスに乗れたのか、それはインボランタリーアップグレードという制度のおかげです。まさにインボラありがとうございますです。
ホノルルー福岡デルタ航空ビジネスクラスに乗れた経緯
インボランタリーアップグレード、通称インボラとは、エコノミークラスからビジネスクラスなどの上位シートに意図せずアップグレードされることで、往々にして航空会社が意図的に行っているオーバーブッキングの調整弁のようなシステムです。
オーバーブッキングとは航空会社がキャンセルなどを予測して乗客数より多くの予約数を入れている状況です。しかしその予測に反してキャンセルが少ない場合、エコノミーシートなどから乗客を上のクラスに上げるという条件で移動してもらい、座席に空白を作ることです。
こちらとしても下位シートから上位シートに移動できるので嬉しい事のほうが多いです。
ただ例えば5人の大家族をまとめて動かすのは手間がかかるので、インボラアップグレードを受けれるヒトにはそのエアラインの中での一定の基準があります。
その条件はもちろん公表されていませんが、推測することは出来ます。
元グランドスタッフさん直伝のインボラアップグレードのコツが上記記事に載っています。そこからワタシの条件を当てはめると・・・
- エアラインステータス|ゴールドメダリオン(デルタアメックスゴールドカードのおかげ)
- 持っているチケットクラス|特典航空券のエコノミーでしょぼしょぼ
- お一人様?|いえいえ小学生の子供と2人グループ
- ツアーや団体旅行ではない
- 身だしなみが整っているヒト|すでに機内モードでだらだら服
- 爽やかで素敵な笑顔|滅相もございませんm(_ _)m
- 人柄|どうやって知りうるのだろう^^;
- 英語で話す(海外)|I can’t speak English very well.
- チェックイン担当のスタッフ|搭乗口に着くなり呼ばれていたので初対面
でしょうか。推測するに強力なプッシュとなったのはデルタアメックスゴールド所有で得られているデルタ航空ゴールドメダリオンメンバーだったことだと思います。
元々ゴールドメダリオンメンバーは、空席があればデルタ航空のプレミアムエコノミークラスと言う位置づけのエコノミーコンフォートに無償アップグレードできます。
実は往路ではエコノミーからエコノミーコンフォートにアップグレードしてもらっていたのです。
復路ではエコノミーコンフォートへのアップグレードの連絡がなかったので半ば諦めていたのですが、アップグレード希望だけは予約時に出していたのでインボラへのある程度のプッシュにはなってくれたのだと思います。
しかしそれでも子どもと2人グループ、しかも座席が離れる可能性があるのに2人ともビジネスクラスにインボラアップグレードしてもらえたのには非常に驚きでした。
デルタアメックスゴールドでもらえたゴールドメダリオンの資格で、デルタ航空の空港ラウンジ「スカイクラブ」を同伴者1名連れて利用することが出来ます。今回も搭乗前に2時間ほどスカイクラブで過ごしていたのですが、その時の子どもを含めてた我々のことを観察して大丈夫そうと判断してくれたのかもしれませんが・・・・分かりません^^;。
とにかくデルタ航空のビジネスクラスに乗れるのなんて一生に一度のことかもしれません。席は離れてしまうということだったのですが、子どもにも確認して大丈夫とのことだったので、喜んでインボラアップグレードを頂きました!
デルタ航空ビジネスクラス「デルタ・ワン」のシート周りのご紹介
まずはデルタ・ワンのシート周りからご紹介します。
アサインされたのはなんと王様席の「1A」でした。ちなみに息子は反対側の窓側である「1D」です。素晴らしすぎでしょう。
シートのタイプはお伝えしたとおりスタッガードタイプで、写真は1Aの後ろの2A席とその奥の3A席が写っています。枕と布団が置いてありますが、これらはフルフラットにして寝る時に大活躍するのですが・・・正直かさばりすぎてそれ以外の時は置き場所に困る代物でした。めちゃくちゃ温かかったですけどね。
モニターは10インチぐらいでしょうか。モニターを見ると古い機材であることは否めません。収納も右のポケットぐらいしか実用性のあるスペースはなく今どきではないです。
足元は全然届かないほど広々としています。この空間にシートが入っていくような感じでフルフラットになります。
GoProの広角撮影だと、全体像が分かるでしょうか。右にテーブルのようなスペースがありますが、ここに食事用のテーブルも収納されています。
シートは電動式ボタンとなっていて、マッサージ機能もついています。
写っている飲み物はマイタイで、出発前のウェルカムドリンクです。デルタ航空は搭乗開始が日系エアラインと比較すると異常に早い(1時間近く早い時もあり)のですが、ビジネスクラスにはその時間を生かしてウェルカムドリンクがもらえます。
テーブルを出すとこんな感じです。前後に多少動きますが、あまり余裕があるとは言えない造りです。
フルフラットにしてみました。シーツなどはありません。
昼便ですが、最初の食事以降ほとんど照明が落とされていて真っ暗だったのでワタシもフルフラットにして寝てみました。身長175cmのワタシが寝ても足は全く届きません。
実はデルタ・ワンのこのタイプのビジネスシート、フルフラットはあまり快適じゃなかったです。ご覧のように肩幅がワタシの体格ではギリギリというより少し足りないぐらいで肩身を狭くして寝なくてはイケなかったのです。
しかも頭の右側には後ろの座席のヒトの足が収まっていて、足癖の悪い人だったのか、頻繁に壁にドカドカ足が当たるので、その振動で安らかに寝るには程遠い環境でした(;´∀`)。
時差ボケ対策もあったし、結局1時間もしないで起きてしまいフルフラットは終了です。
デルタ航空ビジネスクラス「デルタ・ワン」のアメニティ
デルタ・ワンのアメニティをご紹介します。
最初に準備されているのはこれらの用品。
- TUMIのアメニティボックス
- ヘッドホン
- スリッパ
- ミネラルウォーター
デルタ航空のビジネスクラスアメニティとしてTUMIのボックスは有名らしいですね。しかしJALとANAの情報が圧倒的にあるなか、デルタ航空の情報はあまり目にしてなかったので初めて知りました。
ヘッドホンはなんと今どきのノイズキャンセリング機能は付いていません。ノイキャンなしのヘッドホンは久しぶりすぎて逆に新鮮でした。
スリッパは特別なものではなく、ペラッペラです笑。
TUMIのケースをオープン。中身は一般的な歯ブラシ・アイマスク・耳栓の他にも細々としたものが入っていましたが、利用していないのでノーチェックです。すみません。
珍しいのがソックスが入っていたことです。もちろんケースごとお土産に頂きました(^o^)。
デルタ航空ビジネスクラス「デルタ・ワン」の食事
ビジネスクラスの楽しみの1つでもある食事もご紹介します。
今回10時間を超えるフライトの中、食事は3回提供されました。メイン・軽食・軽食、です。メニューは以下の通り。
- 和食|おでん
- 洋食|ビーフ or シーフード or パスタ
- 軽食1|サンドイッチ
- 軽食2|牛丼
というラインナップでした。
子どもと合わせても2人しかいないので、和食と洋食のシーフードメニューは確認できませんでしたが・・・
ビーフメニューです。JALの国内線ファーストクラスやANAの国内線プレミアムクラスのようにワンプレートにすべて乗っている方式です。ワタシはちょこまか小出しされるより、こっちの方が落ち着いて食べれるので好きですね。
まあよく言われているように、そりゃ外のステーキ専門店で食べた方が美味しいに決まっています。でもワタシとしては十分美味しかったです。
パッかぁとね。柔らかさも十分です。備え付けのソースより塩コショウで食べる方が美味しかったです。
機内食の素晴らしいところは、このような景色を眺めながら食事ができることだと思っています。味云々だけではなくシチュエーションすべてで「美味しい!」ことだと思います(窓際限定ですが^^;)。実際美味しかったです。ただ復路便で車の運転があるので、飲み物が炭酸水になっているところだけが残念でした(T_T)。
こちらが子どもが注文した(注文させた)パスタのメニュー。小鉢が載っていないのですが、絶対食べないからということで最初から省いてもらいました^^;。
食べないかなぁ、と思っていたのですが、好きな味だったらしくチビチビとですが食べていました。
メインの食事から4時間後に提供された軽食1のサンドイッチがこちら。大変美味しかったのですが、さすがに半分しか食べれませんでした。この頃は機内真っ暗で窓のスクリーンを上げることもNGだったので景色も楽しめず気も乗りませんでした。
全然席から動かず体を動かしていないのにこの量の食事を続けることは・・・そりゃ太るよね!と言う感じです。
それでも一瞬だけブラインドを開けて撮った外の景色がこちら。日付変更線を超えたぐらいの太平洋のど真ん中。あ〜素晴らしい光景です。
軽食1からさらに4時間後に提供された軽食2の牛丼がこちら。これは意外に美味しかったですが、さすがにデザートのケーキは甘ったるすぎたしお腹いっぱいだったので半分しか食べれませんでした。
この頃には機内の電灯も点灯していたので、外の景色を見ながら食事を楽しむことが出来ました。すでに東京上空に差し掛かっているのですが、まだ90分も残りフライト時間があることに軽く絶望。エコノミーシートだったら10時間座りっぱなしってどうなっていたのだろうとプチ恐怖です。
デルタ航空ビジネスクラスの機内食の総評ですが、まあ悪くないかな、です。他の航空会社ビジネスクラスの機内食なんてほとんど知らないから、評価のしようもないのですが。
機内食だけを目的にビジネスクラスに乗るのはあまりオススメできないですが、サービスやシチュエーション、外の景色を楽しみながら頂く食事というのは満足度が高いものでした。インボラアップグレード、ホントにありがとうございます。
子連れデルタ航空ビジネスクラスはどうだったのか?
今回は今まで経験のない子連れビジネスクラスを突然経験することになりました。しかし子どもと言えどすでに9歳ですので、離れた席になっていてもあまり心配はしていませんでした。
それより親から独立して座っているこの機会に習っている英会話を少しでもしてくれたら・・・と言う欲目が出ていましたが、シャイなのかそこまで積極的なコミュニケーションは出来ていませんでしたね。
飛行機搭乗時にCAさんに子どもが離れたところにいるので、1人でおとなしい子だけど気にかけて下さい、親はワタシで必要なら何でもお伝え下さい、とお願いしていたのですが、結果としては手がかからないいい子ですね、とCAさんに言ってもらっていました^^;。
トイレに行く度にちょこちょこ声をかけに言ったのですが、大好きなゲームし放題、機内映画見放題、口うるさい親はなし、で話しかけてもはよ帰れ状態で余裕しゃくしゃくに過ごしていました^^;。
悔しいから次からCAさんとのコミュニケーションは全部1人でさせてやるぅ笑。
9歳の子連れビジネスクラス、なにか問題があったかと言われると全く何もありませんでしたね。やはり添い寝子どもや未就学児ぐらいが一緒だと静かに過ごさせることも含めて大変なんだろうと思います。
まとめ
予想だにせず、ホノルルー福岡の復路でインボランタリーアップグレードによりデルタ航空ビジネスクラス「デルタ・ワン」を体験することが出来ました。
JAL修行の時にJALのビジネスクラスは経験あるし、ANAのビジネスクラスは情報がイヤというほど溢れているので慣れたものですが、デルタ航空となるとそうはいきません。
ほぼ予備知識無しで初の子連れビジネスクラス搭乗となりましたが、非常に快適に過ごすことが出来たと思います。
日系エアラインのサービスと比べれば、デルタ航空は非常にビジネスライクな仕事ぶりですが、元々CAさんとのコミュニケーションを楽しむタイプではないワタシにとっては気軽な距離感で良かったと思います。
ビジネスクラスに乗って改めて感じたことは、飛行機は足元が広いのが最大の正義でそこにこそお金を払う価値がある、と言うことです。機内食はあってもなくてもどちらでもいいのかもしれません。
ビジネスクラスに乗るのは4回目のビギナー(10年前・修行・修行・インボラ)が言う経験値低めからくる感想です。次はセール価格で購入したシンガポール航空のビジネスクラスに乗れる予定なので、ぜひそこで価値観がひっくり返る体験をしてみたいものですね(^o^)。
デルタ航空の日本発路線でもアメリカ本土に向かう便だとデルタ航空スーパーメダリオン会員がたくさんいそうですが、ホノルル路線だと日本人が大半でそうなるとゴールドメダリオンでも結構いいアップグレードが期待できるのかもしれません(勝手な予測ですが)。
デルタ航空のメダリオンプログラムについては再度こちらの記事をご参照下さい。