日本が誇るフルサービスキャリアのJALとANA、そのマイレージ会員の最高峰はどちらもダイヤモンドとなっています。
JALとANA、ライバル同士の航空会社ですがそのダイヤモンドステータスで得られるサービスや特典はかなり似通っています。
世の中には仕事だけではなく趣味で飛行機が大好きだからという理由で赤色のJALダイヤモンド、青色のANAダイヤモンドの両方を取得する「紫ダイヤモンド」という恐ろしい方々もいますが、通常でしたらJALかANAのどちらかに利用を集中させないと達成が難しいハードル、それがダイヤモンドステータスです。
なぜなら時間もお金もそれ相応に必要とするからです。ワタシはANAはダイヤモンドまで到達せず、その手前のプラチナメンバーで留まっています。JALはダイヤモンドステータスに肉薄するJGCプレミアステータスまで到達しました。いずれも趣味の範囲内です。
最低限の目標であるANA/SFCとJAL/JGCはゲットしたハーフ紫状態となっていますが、やはりまだ見ぬANAの最高峰ダイヤモンドを体験してみたいという欲求は隠せません。しかしせっかくJALのプレミアになったのでそちらを継続した方がいいのではと思います。
そこで今回は最終的にANAとJAL、どちらのダイヤモンドを終着点とする方がワタシにとってベターなのか、それを今回研究してみたいと思います。ちなみにいつものごとく「家族旅行をするなら」という視点になります。
JALとANA、どちらのダイヤモンドの煌きが強いのか?
まずワタシが考えるJALとANA、それぞれのダイヤモンドのメリットを抜き出してみたいと思います。
もちろん両方のダイヤモンドステータスを持てる紫ダイヤさんは別格ですが・・・
ANAのメリット・デメリット | JALのメリット・デメリット |
ダイヤへのハードルが高い | ダイヤへのハードルが低い |
ダイヤ優遇率が高い | ダイヤ優遇率が低い |
スタアラの加盟路線多い | ワンワールド加盟路線はスタアラに劣る |
スタアラゴールドがMax | ワンエメという至高のステータス |
ラウンジはどちらも混み気味 | |
羽田に強い | 昔ながらの成田さん |
国内プレミアムクラスのみで高い | クラスJとファーストクラスの設定 |
UAマイルで三角跳び | Aviosで格安特典航空券 |
電話やウェブサイトの利用便利 | 電話やウェブサイトの使い勝手いまいち |
※赤:メリット、青:デメリット
(過分に個人的な感想が込められていますのでヒトによってはメリットとデメリットは逆転することもありますが)この表がワタシが思うANA・JALダイヤモンドの比較表です。
1.ダイヤモンドステータスへのハードル【JAL>ANA】
ダイヤモンドステータスへのハードルはJALの方が低いです。初回搭乗5,000FOPというボーナスや、2年目になるとFOP国内線2倍という破壊力抜群のキャンペーンがあるので、ステータスを維持するのはより容易になります。
対してANAダイヤモンドは毎年毎年同じ労力を要してステータスを維持しなくてはいけません。しかも年々チケット代が高くなりPPを貯めるお得な航路が塞がれ、または運賃クラスが改定され、息も絶え絶えです。
ダイヤモンドステータスへの到達・維持の容易さはJALに軍配が上がります。
2.ダイヤモンド会員への優遇率【ANA>JAL】
まだANAダイヤモンドステータスに到達したことがないワタシなので、あくまで想像と紫ダイヤ様から聞いた話からですが、それぞれのステータス最高峰ダイヤモンド会員としての扱いはANAの方が優れていると言われています。
わかり易い例は優先搭乗です。国内線ではANAはその他のプレミアムメンバーに先んじてダイヤ様だけの優先搭乗がありますが、JALはステータスメンバーは全員同時です。
また先行予約もANAはダイヤモンドだけ2時間先んじて予約開始できますが、JALはステータスメンバーはすべて同列です。
小さな差かもしれませんが、JALダイヤモンドメンバーが日々不満に感じてる点があるのは事実です。
3.アライアンス加盟航空会社数【ANA>JAL】
- ANAが所属するスターアライアンスメンバー|28社
- JALが所属するワンワールドメンバー|13社
JALとANA、それぞれが所属するエアラインアライアンスの所属航空会社数ではANAのスターアライアンスがJALのワンワールドを圧倒しています。
もちろんそれぞれの子会社やアライアンスに所属しない提携航空会社などを考えれば、アライアンスメンバーの数だけで優劣をつけることはできません。それぞれに得意な地域もありますし。
それでもやはりアライアンスメンバーが多いANAの方が世界を飛び回る上では優位と言われています。
4.アライアンスステータス【JAL>ANA】
ANAが所属するスターアライアンスステータスは「シルバー」と「ゴールド」の2つしかありません。ANAのダイヤモンドステータスはスターアライアンスゴールドになりますが、ANAプラチナも同じゴールドとなり、世界基準ではその差はありません。
ANAのダイヤモンドステータスはANA便、そして日本だけで通用する高級ステータスなのです。
対してワンワールドには「エメラルド」「サファイヤ」「ルビー」という3つのステータスがあり、JALダイヤモンドはワンワールドエメラルドという最高の栄誉が与えられます。
そしてワンワールド加盟航空会社を利用するときやその航空ラウンジを利用するときには、ワンワールドエメラルドというステータスは厚遇を得ることができるのです。
ANAだけ、JALだけと限って利用する上ではそこまで差はないのですが、大きなアライアンスステータスという視点ではJALダイヤモンドが勝ります。
5.航空ラウンジの混雑【ANA=JAL】
ANAとJALそれぞれが提供する航空ラウンジは、一般的にはANAの方が混雑していると言われています。特にANAダイヤモンド会員が利用できるANAスイートラウンジには利用券というJALにはないシステムの存在で、最近の混雑ぶりには辟易されているようです。
ただどちらのラウンジも利用客が集中すれば混雑するのは同じなので、どちらかといえばJAL>ANAかもしれませんがあまり優劣は付けれません。ちなみにANAダイヤの有力者は、ANAスイートラウンジ目当てでANAダイヤモンドを目指すのはよした方がいいと仰っています。
6.便利な羽田国際空港の離発着枠【ANA>JAL】
日本の国際空港といえば成田国際空港です。しかし羽田空港が国際線を取り扱い始めると、やはり都心からのアクセスが圧倒的に便利なので、誰も彼もできるだけ羽田国際空港に離発着する便を利用したがります。
そしてJALが一度経営破綻して信頼を落としている間にANAが羽田空港国際線の離発着枠をより多く手に入れることができたので、便利な羽田国際空港を利用したい場合にはANAの方が有利です。
例えば人気のホノルル線、ANAは羽田発着便がありますがJALはありません。修行に人気のクアラルンプール行きもJALは羽田離発着枠を持ちません。JALは枠が少ないので、より人気の路線だけに限って羽田枠を利用する必要があるのですね。
7.JAL渾身の国内線クラス「クラスJ」の存在【JAL>ANA】
ANAとJAL、それぞれの国内線クラスに目を向けると、ANAはプレミアムクラスと普通席の2つのクラス、JALはファーストクラス、クラスJ、普通席と3つのクラスが存在します。
JALの国内線ファーストクラスは利用できる便がかなり限られていますが、だいたいANAのプレミアムクラスと比較されます。
その間に存在するだろう「クラスJ」はJALにしか存在しません。たった1,000円だけで快適な飛行が約束されるクラスJ、誰にでも愛されるJAL渾身の設定クラスで、クラスJがあるだけで国内線はほとんどJALを利用するという声が聞こえるほどです。
ワタシもクラスJの存在だけで、国内線はなるべくJALを利用したくなります。
8.それぞれのアライアンスのボスのマイルを利用した国内特典航空券利用【ANA=JAL】
ANAはユナイテッド航空のマイルを利用したANA国内線特典航空券予約、JALはブリティッシュ・エアウェイズのマイル「Avios」を利用したJAL国内線特典航空券予約が、それぞれ一癖も二癖もあるお得な利用法なのです。
まあその辺は大きな声では語れないので、ググって見てください。どちらも面白い便利な使い方ができるので甲乙つけがたいと思います。
9.電話受付や公式ウェブサイトの使い勝手【ANA>JAL】
ANAの電話受付はつながりやすいので有名です。と言うかJALがあまりにも繋がりにくいのですね。JALもダイヤモンド・プレミアデスクまで行くとよっぽどのことがない限り待たされることはないですが、それでも何かしらの問題が重なったとき(雪で欠航祭りとか)だと繋がりにくくなるそうです。
また公式ウェブサイトの使い勝手もANAの方が使いやすいとのもっぱらの噂ですが、コレに関してはワタシはそれほどヘビーな予約(国際線ホッピング的な)を入れることはないのでそれほど実感したことがありません。
以上の比較はワタシの個人的な感想が過分に含まれていますので、JALとANA、それぞれを愛しているヒトにとって耳が痛くない言葉であることを願っています。
ANAとJAL、どちらのダイヤモンドステータスを目指すのか
以上の比較を持ちまして、ワタシがホントに目指したいステータスは・・・
ANAダイヤモンドステータスになります。
こればかりは個人の好みや渡航先の頻度や国内線の利用エアライン率によって変わるので、ワタシの考えとしてですが、ANAダイヤモンド>JALダイヤモンドと思うのはやはりダイヤモンドとしての優遇率の差が決定的です。
特に国内線の優先搭乗時、JALの燦々たる現状はちょっと目も当てられません。しかしそれは改善しようと思えばいつでもできそうなので、それだけが要因ではありません。
ANAダイヤモンドは継続2年目以降はフライトボーナスマイルが10%アップします(ブロンズ・プラチナも同じ)。2年目以降はサービスの優遇がさらにアップするとも言われています(普通席隣席ブロックの頻度アップなど)。
ANAはダイヤモンド>プラチナ>SFCと言われていますが、JALはダイヤモンド≒プレミア>JGC=サファイヤと言われています。
ですのでもし平SFCに落ちるか平JGCに落ちるかと言われたら、平JGCの方がマシになります。なのでJALはJGCのままでもよく、毎年のステータスを目指すならANAの方が良さそう、と言うのもあります。
逆にプレミアというダイヤモンドに似たサービスをお手軽に受けれるステータスがあるJALの方がどちらかと言うと有利に見えるかもしれません。JALにも上記で【JAL>ANA】になっている部分のように素晴らしい点がたくさんあります。
ですのでそこであえてJGCプレミアを捨て(毎年)困難なANAダイヤモンドを目指す理由を明確にうまく説明できません。フィーリングとイッてもいいでしょう。
ま、完全に好みなので「好きにすれば!」という世界なので好きにさせてもらおうと思っています。なのでまずはANAダイヤモンドを目指すべく2019年は計画を立てているわけです。
ちなみにワタシの先輩が紫ダイヤ様なのですが、国内線はJAL、国際線はANA、と決め打ちしているようです。その理由はやはりJALの「クラスJ」の存在、とのことでしたね。
肝心の家族旅行の視点ではどちらのダイヤモンドが有利か
家族旅行視点ではどちらのダイヤモンドが有利なのでしょう。最初はJALのサービスセレクションにある「パートナーステータスコース」の存在から【JAL>ANA】と考えていました。
しかしANAがプレミアムメンバーに贈る至高のポイント「アップグレードポイント」がアレば、家族旅行時に望むダイヤモンドとしての特典は得ることができると言うことに気づきました。そのことについては下記記事をご参照下さい。
結局のところ、旅行先で利用したステータスの特典って家族旅行時だと下記のことになります。
- 優先チェックインカウンター
- 優先専用保安検査場
- ラウンジの利用
- 優先搭乗
- プライオリティバゲージサービス
ANAのアップグレードポイントで③ラウンジの利用さえクリアしてしまえば、ANAとJALのダイヤモンド本会員なら家族連れでも間違いなく利用できる特典たちです。
あえて言えばJALの国内線優先搭乗だけ、ダイヤモンドの専権事項ではない、ということぐらいです。
提携航空会社に搭乗したり空港で同じアライアンスのサービス(ラウンジなど)を受けるときには、ANAプラチナもANAダイヤモンドも一緒のスターアライアンスゴールドとなるANAと異なり、ワンワールド最上位のエメラルドになるJALの方が有利とも言えます。
付け加えると、JALのサクララウンジ内に設置してあるキッズスペースは素晴らしいサービスです。ANAにもラウンジにキッズスペースを用意している空港はありますが、JALの方が使い勝手が圧倒的に上です。JALにはJALスマイルサポートという子連れに優しいサービスまであります(ANAにも無いわけではないですが歴史が浅い)。
国内線も国際線もJALのほうがどちらかと言えば特典航空券は確保しやすいとも言われています。
国内線のクラスJは家族連れでも快適に過ごせる渾身のシートとなっています。
安価だけど快適に過ごせる国際線プレミアムエコノミークラスは家族連れにとって最も利用しやすいシートですが、その1便あたりの設置数もJALの方が多いです。
そこにパートナーステータスコースを合わせれば、ワンワールド利用が多い場合JALダイヤモンド・プレミアは無双できます。
対してANAは、自社便のサービスが利用できればダイヤモンドとして優遇されますが、スターアライアンスの中ではただのゴールドメンバーです。プラチナどころか平SFCと同格です。(逆に海外ではスターアライアンスゴールドが珍しくてANAがスタアラゴールドになるSFCをバラまき過ぎとの批判を受けているとかなんとか・・・)。
ただワタシ、多分アライアンス提携航空会社をフルに利用した家族旅行とかしないですし、利用が多いホノルル便を考えたらホノルル空港にANAラウンジ・スイートラウンジができたからには、ステータス維持も含めてANAばかり利用すると思うのです。
なんかこうJALの良いところとANAの良いところを並べてみると、なんかJALの方がいいような・・・。
まあANAを中心に利用する場合は、ラウンジや優先搭乗を含めてJALと同等以上のサービスを享受することができるはずです。何事もやってみないと分からないですから。もう予約も入れちゃったし、2019年はANAダイヤモンドを目指すのです!!
まとめ
古くからの戦いである「ANAダイヤモンドvs.JALダイヤモンド」をアップグレードポイントというANA特有のサービスに注目して比較してみました。
アップグレードポイントをうまく利用すれば、ANAダイヤモンドを家族サービスにうまく活かすこともできそうだし、それだったら唯一見ていなかったANAダイヤモンドの高みを目指そうと考えたわけです。
ところで、つい最近家族で久しぶりにANAラウンジを利用しました。ワタシプラチナで妻家族SFC会員のパワーでです。ところが次男のその時の機嫌がお外で遊びたいモードだったからか、すぐに次男だけを連れ出してANAラウンジを後にする羽目になりました。
そう言うときはワタシの役目です。これがANAダイヤモンドでアップグレードポイントを利用してANAスイートラウンジを利用しているときを想像してみましょう。
せっかく利用したアップグレードポイントはあっという間にパーです。ダイヤモンド本会員(になっているだろう)のワタシが中にいないと家族全員追い出される可能性だってあります。
JALのJGCプレミアとパートナーステータスJGCプレミアだったら出入りしても親のどちらかがいなくなっても問題ありません。
あれ?やっぱりJALのほうがいい??
ぶっちゃけ妻がANAラウンジよりサクララウンジが好きだったりもするし、そんなこんなで1年経ったらすぐにJALに復帰するかもしれませんね(ToT)。
共感しました。どちらも良きライバルでい続けて欲しいです。
こういう比較は乗る方も乗られる方も興味深いですよねw
客層対決はいかがでしょうか?
男女・修行僧・家族連れ・サラリーマン・公務員・芸能人・VIPなど
スタッフの洗練度はどうでしょうか?
見た目だとA○A顔・J○L顔など、所作だとアジア寄り・欧米寄りなど
歴史的な棲み分けみたいなのは?
三菱東京系・三井住友系など、離島なのにどちらも仲良しなど
気になる遅延や欠航、事故率は?
興味深い比較対象を教えていただきありがとうございます!
近くのANAダイヤ様のお話では、
ANAスイートラウンジは本当にサラリーマンばかりで9割以上が男性と言っていました。
JALはパートナーステータスコースという選択肢があるので、
DPラウンジ・ファーストラウンジに入れる女性も多いのだろう、と言う分析です。
こういう対比も面白いですね。