日本を代表する航空会社であるANAにはよく利用する顧客に向けたプレミアムメンバーサービスがあります。
そしてプレミアムメンバーの最高峰がダイヤモンドメンバーです。
ANAがダイヤモンドメンバーに提供する特典やサービスはそれはそれは素晴らしいものがありますが、その対象は基本的にメンバーのみで含まれても同行者1名ぐらいです。
その点については詳しく調べたことがあります。
つまり一人旅や二人旅行なら破壊力抜群のANAダイヤモンドサービスも、家族旅行ともなるとそのパワーを十全に発揮できない可能性があるのです。
家族旅行がメインのワタシにとっては、ダイヤモンドステータスを継続するか否かの判断材料になります。
今回、ダイヤモンドメンバーになって初めて福岡ー成田ーホノルルという行程で家族でのハワイ旅行に行ってきたので、その際の家族連れダイヤモンドパワーについて色々確認してきました。
その結果をまとめていきたいと思います。ちなみに家族構成は親2人子ども2人(小学生・未就学児)です。
家族連れだと現場スタッフのご厚意で原則の範囲を超えて利用させてくれるサービスも多いですが、原則は忘れずに他の会員の迷惑にならないように振る舞う必要はあります
チェックインカウンター
ANAダイヤモンドメンバーを含めたプレミアムメンバー(ダイヤ・プラチナ・SFC)は、優先チェックインカウンターを利用することができます。
国内線 | ANAグループ運航便・コードシェア便のANA便名搭乗時 | |
ANAスイートチェックイン | 羽田空港 | 本人+同行者1名 |
ANAプレミアムチェックイン | 多くの国内空港 | 本人 |
国際線 | ANAグループ運航便に搭乗時 | |
ファーストクラスチェックイン・スイートチェックイン | 本人+同行者1名 | |
ビジネスクラスチェックインカウンター | 本人 | |
スターアライアンスゴールド優先チェックイン | 本人 | |
国際線 | スターアライアンス加盟航空会社運航便 | |
スターアライアンスゴールド優先チェックイン | 本人 |
出発の福岡空港にはANAプレミアムチェックインがあります。
こちらを利用できるのは会員本人が原則です。ダイヤモンドメンバーなら本人、SFC会員ならSFC会員本人とSFC家族会員が利用することができます。
何人までとか、同じ予約番号ならとか、ご家族なら、とか特に決まりがあるわけではないですが、現場の判断で家族連れでも利用させてくれます。
乗り継ぎとなった成田空港ではANAスイートチェックインとビジネスクラスチェックインカウンターがあります。スイートチェックインを利用できるのはプレミアムメンバーの中ではダイヤモンドメンバーのみです。
通称「Z小屋」と言われるZカウンターです。こちらを利用できるのは本人+同行者となります。
あまりに特別な空間なので、入室と同時にスタッフに家族でも利用していいのかお尋ねしたのですが、何の問題もなくご利用いただけます、と言っていただけました。
福岡空港で国際線のチェックインは済んでいるのでチェックインカウンター自体には用事はなかったのですが、せっかくなので、と言うことでおしぼりを出していただき、さらには搭乗口で行うだろう搭乗券のチェックまでして下さいました。
他に利用お客様もいなかったので、ちょっと話し込んだりして楽しい時間を過ごすことができました。ANAダイヤ最高です(^^)。
ホノルル国際空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)にはANA専用のチェックインカウンターがあり、そこにファーストチェックインカウンターやビジネスクラスチェックインカウンターが分かれて設置されています。
ANAダイヤモンドメンバーはファーストクラスレーンを利用できます。ココに来て流石に利用できないことはだろうと考えて家族連れでのチェックインに利用させて頂きましたが特に問題はありませんでした。
ANAダイヤモンドメンバーの家族連れでは専用チェックインカウンターの利用は特に問題なかったのですが、あくまで現場スタッフの柔軟な判断によるものです。
既存ダイヤモンドメンバーの不興を買うこともある(かもしれない)ので空気を読むことが大切だと思います。
ちなみにワタシが利用したときはどの場面でも他に利用者はいませんでした。レジャー路線ではおダイヤ様そのものの絶対数が少ないだろうと思うので、逆に利用しやすいですね。
手荷物受け取りの優先
ANAダイヤモンドメンバーは手荷物に優先タグを付けてもらい、到着後は優先的に受託荷物を受け取ることができます。
- ANAグループ運航便・コードシェア便にANA便名で搭乗の場合|国内線なら【FIRST】マークを手荷物タグに印字、国際線なら【FIRST PRIORITY】または【FIRST CLASS】タグを取り付け
- スターアライアンス加盟航空会社運航便の場合|スターアライアンスの優先タグを取り付け
ダイヤモンドメンバーの受託荷物は1番最初の第1便で出てくるので、かなりの時間短縮となります。
荷物はすべてダイヤモンドメンバーにタグ付けされるので、家族の分も含めてすべての荷物が優先されます。
ハワイ旅行の往路となったホノルル国際空港や復路の成田国際空港では出入国に手続きがあるので、ターンテーブルに到着したときは、早く出過ぎて待つまでもなく荷物はとうの昔に回収されておりました。
福岡空港でもトイレに行く間もなく荷物が最初に出てきてFIRSTタグのパワーをまざまざと感じてしまった次第です。
手荷物許容量の優待
ANAグループ運航便およびスターアライアンス加盟航空会社運航便を利用の際、無料で預けることができる手荷物の個数や重さ制限の優待を受けることができます。
国内線 | +20kgが無料 |
プレミアムクラス | 合計60kg(40kg+20kg) |
普通席 | 合計40kg(20kg+20kg) |
国際線 | +1個が無料 | |
クラス | ダイヤモンド | 一般 |
ファーストクラス | 1個あたり32kgを4個まで | 1個あたり32kgを3個まで |
ビジネスクラス | 1個あたり32kgを3個まで | 1個あたり32kgを2個まで |
プレミアムエコノミー | 1個あたり23kgを3個まで | 1個あたり23kgを2個まで |
エコノミークラス |
上記の手荷物許容量の優待はプラチナメンバーでも同じなので特別なことではありません。通常海外旅行では荷物の「個数」より「重量」の方が厳しいので、ダイヤモンドメンバーとしての特別な恩恵はないのです。
ただ実はハワイ旅行の復路となるホノルル空港で、プレミアムエコノミークラス利用時に受託荷物の1つが24.4kgと23kgの制限をオーバーしてしまったことがあります。
荷物の入れ替えも手間だったのでペナルティの追加料金を払うつもりだったのですが、ダイヤモンドメンバーなので、という事で許容していただけたことがあります。
コレは現場の判断で常にそうなるわけではないですし、甘えずに重量のルールは守る必要があるのは当たり前なのですが、正直ダイヤモンドステータスのパワーを感じた瞬間でした。
専用保安検査場の利用
ANAグループ運航便に搭乗の際、対象の空港では専用保安検査場を利用することができ、混雑時でもスムーズに通過することができます。
国内線 | ||
ANAスイートチェックイン | 羽田 | 本人+同行者1名 |
ANAプレミアムチェックイン | 羽田・新千歳・福岡 | 本人 |
国際線 | ||
ANAスイートチェックイン | 成田 | 本人+同行者1名 |
ゴールドトラック | 成田・世界各地 | 本人 |
プライオリティレーン | 羽田・成田 | 本人+同行者1名 |
ファーストレーン | 関西 | 本人+同行者1名 |
「スイート」の名がつく場所はダイヤモンド会員しか利用できませんが、「プレミアム」の場所は他のプレミアムメンバーであるプラチナメンバーとSFCメンバーも利用することができます。
ゴールドトラックやプライオリティレーンでは空港ごとに利用できるメンバーが異なるので一般的には言えませんが、ほとんどの場合スターアライアンスゴールド以上(ANAプラチナ・ダイヤモンド・SFC)で利用することができます。
運用については本人のみだったり本人+同行者1名だったりします。SFC会員であり配偶者がSFC家族会員なら2人のスターアライアンスゴールドメンバーがいて、さらに同行者1名OKならプライオリティレーンを家族連れで利用するのは問題なさそうです。
その流れで、本人のみの場所も家族連れでの利用がNGなゴールドレーンは今のところ経験ありません。
問題はファーストクラス利用者とダイヤモンドメンバーのみが利用できる「スイート」な空間です。
上画像は成田国際空港のANAスイートチェックインの奥にある専用保安検査場への入り口です。こちらはANAスイートチェックインを利用できるヒトはそのままの流れで利用できるので、前述の通りスイートチェックインの利用を快諾頂いた後なので家族連れでのスイートな保安検査場も利用できました。
ただこの奥の保安検査場は1レーンしか無く、家族連れがぞろぞろ利用していれば他のダイヤモンドメンバーが気持ち良い感じにはならないだろうなぁとも感じました。
この辺はやはり空気を読む必要があるかと(勝手に)思っています。
ラウンジの利用
ANAグループ運航便およびスターアライアンス加盟航空会社運航便で出発の際、搭乗時刻まで各空港内にある指定のラウンジを利用できます。
国内線 | 本人と同行者1人目 | 同行者2〜4人目 |
ANAスイートラウンジ ANAラウンジ | デジタルカード ステータスカード 提示 | 2,000マイル または 2アップグレードポイント |
国際線 | 本人と同行者1人目 | 同行者2~4人目 |
ANAスイートラウンジ | デジタルカード ステータスカード 提示 | 5,000マイル 4アップグレードポイント |
ANAラウンジ | 4,000マイル 3アップグレードポイント |
ダイヤモンドメンバーが利用できるのはANAスイートラウンジの方で特別な空間です。
しかし利用できるのは本人と同行者1名のみで、ココは流石に家族連れで利用させてくれる忖度はありません。
ただマイルやアップグレードポイントを利用すれば家族5人まではまとめて利用しようと思えばできます。問題はそこまでの価値があるか、ですね。
機会があり成田国際空港の第4サテライトにあるANAラウンジ・スイートラウンジやホノルル国際空港のANAラウンジ・スイートラウンジを比べる機会がありましたが、大きなメリットは空いているか空いていないか、です。
数時間をラウンジで過ごす予定となっていて、なおかつANAラウンジが激混みで家族4人で座るのに難儀する状況なら、コストを支払ってスイートラウンジに入る価値はあると思います。
それでもタダでもらえるアップグレードポイントを利用するならありですが、貴重なマイルを利用してまでは入らないと思います。
優先搭乗の案内
ANAグループ運航便およびコードシェア便にANA便名で搭乗時、スターアライアンス加盟航空会社運航便などを利用の際、国内線・国際線全路線において、搭乗クラスに関わらず、プレミアムメンバーは優先して機内に案内されます。
優先搭乗の順は以下の通りです。
- 搭乗の際、手伝いが必要な方や小さな子連れの方
- ダイヤモンドメンバー+ファーストクラス(国際線)|【グループ1】
- プラチナメンバー・SFC会員・スターアライアンスゴールドメンバー+プレミアムクラス(国内線)・ビジネスクラス(国際線)|【グループ2】
- すべてのお客様|【グループ3】以降
ファーストクラスの設定がない国際線や国内線ではグループ1に分類されるのは実質ダイヤモンドメンバーのみとなり、大きな優遇となります。
実はこの優先搭乗の対象者は【本人】となっています。同行者は案内上は含まれていません。
家族連れでの対応ですが、やはり現場の判断ということになります。現場で伺った限りでは(20名とか大人数は困るけど)同じ予約番号のご家族なら遠慮なくグループ1でご利用ください、と確認しました。
羽田=伊丹路線のようにダイヤモンドメンバーが大行列を作るときには流石に気が引けてしまいますが、10人前後しか利用がない路線ではそれほど気後れすること無く家族で利用してもいいのではないかと、個人的には思います。
しかしワタシのようなにわかダイヤメンバーではなく、昔からのダイヤメンバーからの視線は時に厳しい時があるので、グループ1での優先搭乗を家族で利用したいときは都度その場で利用していいのか確認したほうが無難とは思います。
ちなみにホノルル国際空港の新しいANAラウンジ・ANAスイートラウンジはラウンジから直接搭乗できることをウリにしていますが、ご覧のように完全に隔絶されているので、スイートラウンジに入らない限りおダイヤ様の列に紛れることはできません。
※ラウンジ経由じゃないときは通常の優先レーンが用意されています。
ANAダイヤモンドメンバーになってからの家族連れの利用まとめ
ANAのプレミアムメンバーの中でも最高峰のダイヤモンドサービスが家族連れ旅行でも役に立ったかどうかをまとめます。
サービス | 原則 | ANAダイヤ | JALダイヤ・プレミア |
チェックインカウンター | 本人 本人+同行者1 | ☆☆☆ | ☆☆☆(同行者1OK) |
手荷物受け取りの優先 | 本人 | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
手荷物許容量の優待 | 本人 | ☆ | ☆ |
専用保安検査場の利用 | 本人 本人+同行者1 | ☆☆☆ | ☆☆☆(同行者1OK) |
ラウンジの利用 | 本人+同行者1 | X | ☆☆☆ |
優先搭乗の案内 | 本人 | ☆☆ | ☆ |
最初に述べたように、ダイヤモンドサービスを利用できる対象には範囲が記載されています。
その原則を踏まえた上で、ANAのサービスは子連れ家族旅行にとってどのように感じた(役に立った)のかを表にまとめました。
旅行の流れ的には家族連れだからといってダイヤモンドステータスが役に立たなかったと思う場面はまずありませんでした。
唯一の例外がANAスイートラウンジの利用ですが、しかしダイヤモンドステータスを継続する限り付帯されるアップグレードポイントや選択式特典でANAスイートラウンジ利用券を選択すれば家族連れでも利用できます。
対比で載せたのがライバルのJALダイヤ・JGCプレミアステータスの内容です。ワタシは現在JGCプレミアというJALダイヤに準ずるステータスも保有しています。
JALダイヤ・JGCプレミアには選択式特典としてパートナーステータスコースを選択することができます。
パートナーステータスコースを選択すれば同伴者も同じステータスとサービスを享受することができます。そうなるとANAダイヤでは後ろめたかった専用チェックインカウンターの利用も専用保安検査場の利用も同伴者も同行者1名までOKなので、何ら臆することなく利用できます。
そしてANAのスイートラウンジの相当するJALのファーストラウンジ・DPラウンジまで家族連れで利用することができます。
それゆえ家族連れ旅行が多いならJALダイヤモンド・JGCプレミアの方が有利と言われていましたが、今回の検証で、ラウンジ以外ならまず問題ないということが分かりました。ラウンジに関してもJALにはない特典であるアップグレードポイントを利用すればクリアできる問題なので、ANAダイヤとJALダイヤ、ほぼ差はないと言っていいでしょう。
そうと分かれば、ANAダイヤモンド修行を続ける甲斐があるってものです。
何度もお伝えしますが、パートナーステータスを利用したときのJALと異なり、ANAダイヤのサービスを家族連れで利用するには、その適用範囲の原則を理解した上で現場の厚意で利用させてもらっているということを忘れてはいけないと思います。
まとめ
ANAのダイヤモンドステータスにはずっと憧れがありましたが、家族旅行が多いワタシにとってどこまでメリットが有るのか未知数でした。
そこはやはり実際にダイヤモンドサービスを受けてみないと分からないだろうと思い、ANAのダイヤモンドメンバーの仲間入りをしてみました。
結果としては家族連れでも非常に気持ちの良い対応をしていただき、今後ともぜひ利用していきたいと思わせてもらいました。
ただJALの準ダイヤであるJGCプレミアステータスの特典との比較は、プレミアステータスの維持が比較的容易であるがゆえに、延々と悩み続けそうです^^;。
お久しぶりです!上記、とってもわかりやすく納得の記事でした!ANAのほうがサービスの柔軟性があると思うのとやはりCAさんも若くてかわいい人が多いなあとシカゴー羽田のビジネスで久しぶりのANA利用でも思いました^^。
MMさんお久しぶりです!
お褒めいただきありがとうございます。
最近はANAドップリですが、JALのクリスタルだけを目指してプチ修行してくるので、
JALとの「お若さ」比較をしてまいります(^^)
MMさんも寒くなってきましたら、またブログの更新をお願いします!