2018年12月5日にANAのプレミアムエコノミークラスが国際線特典航空券で予約できるようになりました。最初だけかもしれませんが、今のところ予約座席数に制限を設けてないかのようなボーナス状態になっていて、8月繁忙期までANAのプレエコ特典航空券が確保できたりしました(10連休予定のGWはさすがに厳しかったです)。
しかしその影でひっそりと始まっていたものがあります。それがANAプレミアムエコノミーの種別「N」と言われるクラスです。
ANAプレエコ種別Nについては3人の方が詳細な記事や納得の行く考察を載せておられました。
ワタシもこのANAプレエコ種別Nについて思うところがあるので記事にしてみました。
ANA国際線プレミアムエコノミークラス|種別Nについて
今回のANA国際線プレミアムエコノミークラスの種別N(クラスN)については上記の方々の記事をご参照頂きたいのですが、重要なのは以下のポイントです。
- マイル積算率70%
- 変更不可
- 払い戻し不可
- アップグレード不可
クラスNはANA国際線の区間基本マイレージに対する積算率が「70%」になります。
今まではプレミアムエコノミーのクラスと言えば「E」でマイル積算率は100%でした。そして基本マイル数によって算出されるプレミアムポイント(PP)もそれに応じて多くなります。
プレミアムエコノミーは時期や路線を選べば非常に安価で搭乗することができるので、コストに対するPPも安くなり、ひいてはPPの数値で決まるANAプレミアムサービスへの到達も容易になっていました。
ANAのプレミアムメンバーであるスーパーフライヤーズカード会員(SFC)や最上級メンバーであるダイヤモンド会員を目指すためには、無くてはならない種別クラスだったわけです。
さらに国際線でのクラスEは国内移動のクラスはYとなり、国内移動におけるマイル換算率も100%となっていて、コレがさらにPPを貯めやすいことにつながっていました(今のところはクラスNでも国内線のクラスはYのままらしいですが、それもずっと継続するとは限りません)。
それが、今まで一番安い値段で出していたANA国際線プレミアムエコノミーはほとんどがクラスNになってしまっています。コレはPPを貯めるためのエアライン修行にとっては大きな影響があります。
ANA国際線プレエコクラスNの影響
その影響を見るには、実際にPPを出してみればいいと思います。
上記の予約は、ワタシが12月4日以前に予約した東京・羽田ーシドニーのプレミアムエコノミー予約画面です。その時は表示される最安の値段を選んだのですが、プレエコのクラスはEとなっています。
クラスEで貯まるプレミアムポイントは片道で7,694PPとなっています。国内区間を選べば片道10,000PP、往復で20,000PPを貯めるのも容易です。
今度は全く同じ期日、同じ値段の羽田ーシドニーのANAプレエコの値段を見てみましょう。すでに12月5日以降に見た状態では、値段を含めて全く同じ値段なのにクラスはNとなっています。
当然ですが、全く同じ条件なのにクラスがNになっているので、得られるプレミアムポイントは70%となり5,506PPとなっています。
その差は2,000PPぐらいですが、2,000PPは、ANA SUPER VALUE(要は一番安く乗れる国内線運賃)の福岡ー羽田の普通席往復よりも多いプレミアムポイントなので、その影響は甚大と言えるでしょう。
ちなみにクラスEももちろん選べますが、値段が当然上がるのでPP単価だけを重視するのならばとても選べません。
マイレージ積算率のクラスとか種別って何?
ワタシは今までマイレージ積算率が変わる航空運賃のクラスとか種別とか気にしたことがありませんでした。それはその時時で最安値しか選ばないので考える必要がなかっただけなんですが、よくよく考えるとかなりの影響があることが分かりました。
例えばANAプレミアムエコノミーの運賃の種類は公式ページには以下のように載っています。
コレを見るとプレミアムエコノミーの運賃とそれに対応したマイル積算率は100%のままのように見えますが、運賃規則に従ってクラスNになる運賃もあるんです。
例えば現在のANA修行の聖地となっているクアラルンプールの2018年12月時点で発表されている運賃規則は下記のようになっています。
ただ実際に利用する時はSuper ValueだからクラスはNとか、Value PlusだからクラスはEとかではなく、利用運賃のところで表示されるクラスをチェックすれば事足ります。
海外発券のクアラルンプールー東京往復、来年5月金曜日出発だけど最安値は往復で85,130円とめちゃ安いですが、クラスはNとなり積算マイルも今までより少な目です。
より高い値段だとFlex Plusになり、予約クラスはG。プレミアムエコノミーのクラスGは今までのクラスEと同じでマイレージ積算率100%になるのですが、値段もそれ相応に上がるのでプレミアムポイント単価を考えるとおトクとは言えません。
ちなみにクラスEとかGとかどういうことかは先程の運賃規則に載っています。地域によっても変わるのだと思いますが、ざっと見た限りプレエコのクラスGの方がクラスEより柔軟性がありそうな種別となっているようです。
正直、クラスEとか今度のクラスNとか、「土曜日を含める」必要がある運賃が存在するなんて知りませんでした(-_-;)。
オセアニアのシドニー路線を見てもクラスNとクラスEでは明確な運賃の違いが生じます。ワタシは現在クラスNになっている値段をクラスEで12月4日以前に購入したわけです。12月4日前後で、こうも変わるなんて誰が想像できるでしょうか。プレミアムポイントの単価10以下にはしないようなANAの気合いまで感じます(・・;)。
SFC修行の今後
ワタシはSFC修行はすでに終えているのですが、今後SFC修行を行おうと思っているヒトにとっては、プレミアムクラスを含め全体的に値上がりを見せている国内線でも今回のプレエコクラスNの設定が登場した国際線でも厳しくなっていくことが予測されます。
すでに全行程の予約が終えているヒトにとってだけ大勝利です。しかし苦労して入会を果たしたスーパーフライヤーズカード会員の特典も永続するとは限りません(分かりませんが)。
実際ワタシは気づいてもいなかったのですが、クレアさんの記事を見ると、今後のSFC修行の方針も見えてきます。
PP単価優先のマイレージ修行は次第に収束していく可能性があります。自分のお財布と時間を天秤にかけて、自分にとってベストの路線と値段を探していく必要があるでしょう。クアラルンプール発券のクラスNをどう取り扱えばいいのか、難しい問題です。
ダイヤモンド会員へのハードルはさらに高まりましたが、まあ本来はプレミアムサービスというのはそのぐらいハードルが高いもの、と言う認識になっていくのでしょう。
ワタシは2019年にはANA便を有償で何度か利用するので、あわよくばANAプラチナ返り咲きを狙っていました。と言うのは平SFCとプラチナにはそれなりの差が存在するからです。プラチナ>平SFCぐらいかと思っていましたが、プラチナ>>>>平SFCぐらいはあるかもしれません。
- マイル加算ボーナス
- 前方座席指定サービス
- アップグレードポイント
まあこのぐらいしか目に見える違いはないのでわざわざは目指しませんでしたが、なんだかんだでブロンズぐらいは天然で行きそうだったから、それならば、と思っていました。んが、このクラスNが存在するプレミアムエコノミーじゃあわざわざ修行するには割に合いませんね(ToT)。
今後ANAプラチナ/SFCやダイヤモンドステータスをコストを掛けて目指すヒトの方針がどうなるか気になります。天然で楽しんでいるだけで到達できたら大勝利なんですが・・・。
まとめ
すこ〜〜しだけ2019年のANAプラチナを目指していたので、今回のプレエコクラスNの設定はかなり大きなニュースでした。ワタシですらそうだったので、本気でSFC2019年組を目指しているヒトにとっては大ダメージなんじゃないかと思います。早期解脱を目指して、ほとんどの予約が終えているヒトたちはセーフですね。
そうして苦労して取ったSFCも今後どうなるかは分かりませんが、いきなり1年以内に大きな変更がないことを願っています。
ただ個人的には、搭乗チェックインカウンターの大渋滞を避けることができるプレミアムチェックインカウンターの利用ができることが継続するだけでも許容できます。さすがにラウンジが使えないということは無いでしょうし。
マイル・ステータス大盤振る舞いの時代は終わりを告げるのでしょうか?JALの国内線FOP2倍キャンペーンの継続はまだ発表されません。どんな事があっても対応できるように、マイルだけは貯めておこうと思います。