飛行機を利用して旅行に行くとき、チェックインカウンターの行列にうんざりしたことはないでしょうか?平日ならそれほどでなくても、普通の土日でも人気の観光地がある空港(那覇や新千歳、羽田など)は30分以上待つこともあります。
またゴールデンウィーク等の繁忙期ではその行列は倍々に伸びていき、預け荷物が多い国際線がある成田空港や羽田空港では空港に着いてからチェックインを終わらせ保安検査場を通過して制限エリア内に入るまで1時間以上を要することも稀ではありません。
制限エリア内に入り搭乗口にたどり着くまでにはすでにヘトヘトということもよくあることです。これが子連れだとなおさら大変となります。
ワタシも3年前まではその混雑に紛れて子どもを連れて家族旅行に出かけていたのです。しかしそんな混雑を華麗にスルーする方法が存在したのです!空港のところどころで見かけていたはずなのですが、知らないと全く認識すらできない未知の世界です。
今のワタシはその世界を知ってしまいました。そしてその未知の世界に飛び込むすべを勉強し実践しついに利用できるようになっているのです。
その答えは航空会社の上級会員になることです!
どういうことなのか、早速解説していきましょう。
航空会社の上級会員とは?
ワタシも数年前まで全く知らなかったのですが、贔屓の航空会社を繰り返し利用するとその航空会社独自のポイントが貯まります。有名なマイルとはまた別の計算法で算出されるポイントです。
日本の代表的な航空会社であるJALの場合「FLY ON ポイント(FOP)」であり、ANAの場合「プレミアムポイント(PP)」となっています。
そのポイントはざっくり言えば、それぞれの航空会社を「より高いお金を払う運賃で利用するか」か「より多い回数で利用するか」でしかなかなか貯まらないポイントなのです。
そしてより利用してくれる顧客に対してJALやANAはサービスステータスを用意していて、そのステータスに応じて飛行機の利用に伴う様々なサービスや特典を享受することができるのです。
航空会社のステータスに応じた特典とは?
航空会社がよく利用する顧客に対して用意するステータスのサービスや特典は多岐にわたります。
JALのステータスに応じたサービスの解説については下記記事をご参照下さい。
ANAのステータスに応じたサービスの解説については下記記事にまとめてあります。
JALとANA、そして世界各国の航空会社が有するステータスのサービスは似たり寄ったりなのですが、その中でも特に飛行機による旅行を快適にしてくれるサービスは以下のとおりです。
- 優先チェックインカウンター
- 優先保安検査場利用
- 制限エリア航空会社ラウンジの利用
- 優先搭乗
- 優先バゲージサービス
これらのサービスはいずれも飛行機を利用するために空港についてから、到着地で空港を出るまでに旅行を快適にしてくれるサービスになります。
①優先チェックインカウンターを利用できれば、今回のブログの話題ともなる超繁忙期における空港カウンターの長蛇の列を回避することができます。(優先チェックインカウンターがない空港もありますが。)
②長蛇のチェックインカウンターをクリアしたら、次に待っているのは保安検査場の行列です。コレも航空会社のステータスがあれば優先レーンが設置してありクリアすることができます。(保安検査場に優先レーンがない空港もあります。)
例えば上画像は本記事のアイキャッチとしても利用した画像ですが、ある平日の新千歳空港のANAサイドの光景です。冬の新千歳空港は平日でも時間帯によっては手荷物を預けるだけでも30分以上並ぶこともあります。
遠目に手荷物を預けるためのその長蛇の列が見えますが、ANAのステータスホルダーが利用できる優先チェックインカウンター内の行列は全くありませんでした。
ココはANAのチェックインカウンターと保安検査場が一体化した施設で、中では行列がほとんど無いチェックインカウンターで手続きをした後、そのまま空いている保安検査場を利用することができます。
ステータスホルダー用の設備でも利用者が殺到すれば待ち時間が発生する行列は必至です。ただそれでも待ち時間は少ないほうです。
③優先チェックインカウンターや保安検査場をスムーズに抜けてしまうと、逆に制限エリア内で時間を持て余してしまう心配があるかもしれません。しかし、上級会員専用のラウンジを利用できるのでそんな心配も無用です。
上画像のような専用ラウンジではソフトドリンクやアルコール、おつまみ程度の食べ物をサービスで頂くことができます。何よりゆっくり座って搭乗開始時刻まで過ごせることが貴重です。
④そしていざ搭乗が開始となっても、上級会員はより早く搭乗することができるので搭乗口前の長蛇の列、そして機内の荷物を上に乗せるために度々進行が止まる行列に巻き込まれることはほとんどありません。
もちろん搭乗時には上級会員も集まってくるのでそれなりの行列となりますが、それでも機内に早く入ってゆっくりできることには変わりありません。
優先搭乗に関しては、シートの場所や手荷物の有無によっては早く搭乗するより遅く搭乗するほうが楽なこともあるので賛否両論ではあります。
⑤目的地に到着したとき預け荷物があればターンテーブルで受け取る必要がありますが、コレも上級会員だと早めに出てくるので、早く荷物を手にとって空港を後にすることができます。
また到着時の上級会員のメリットは他にもあって、航空会社のステータスがあると座席指定できるシートの幅が広がり、より前方席まで予約できるようになります。
座る場所には好みがありますが、前方座席だとより早く降機することができるのでその後の行動を早くすることができます。リムジンバスや電車が1本早く乗れることなどは気づきにくいメリットです。
航空会社のステータスから得られるものとは?
航空会社のステータスを利用して得られる最大のメリットは「時間」だと思っています。出発地の空港に着いて到着地の空港を出るまでのスピードが圧倒的に上がったと感じる今日此の頃です。
ステータスがあれば国際線の航空会社ラウンジでは飲み物だけでなく食べ物まで充実しているし、最上級会員なら国内線の航空会社ラウンジでも食べ物が提供されています。スピード以外のメリットもあります。
しかしステータスを手にした後に何度も空港を利用して感じるのは、空港は長くいる場所ではない、ということでした。特にワタシは子連れ家族旅行が多いからそう思うのかもしれませんが、チェックインなどの様々な手続きから搭乗までの時間は短いほうがいいに決まっています。
もちろん飛行機が大好きすぎて、飛行機を見て感じられる空港になるべく長く滞在したいと言う方もいます。ワタシもどちらかと言えばそういうタイプなのですが、子連れだと全然話が変わってきます。
ステータスは家族連れだからこそメリットが大きい、と言うのも実感です。
そして上級会員であれば、空港での様々な時間が短縮できることを想定して行動することができるのです。その点で航空会社のステータスは大きな威力を発揮します。
あとワタシはまだ未体験ですが、欠航などの大きなトラブルが発生したときも振替便の手続きなどを優先してもらえることがあるので、そういう意味でも時間短縮に貢献することができます。
航空会社のステータスを得る方法とは?
ではその航空会社のステータスを得る方法とはどのようなものでしょう?
その方法は非常に単純で「飛行機にたくさん乗ること」です。
飛行機をたくさん利用すればその分必要なポイントは貯まっていきますが、各航空会社が指定する対象運賃を利用する必要があります。
カウントは1暦年ごとで、リセットされます。
元々は仕事でたくさん利用してもらうことを想定した航空会社のステータスシステムなので、ビジネスマンの囲い込みが目的であり、一般人では手が届かないところにあります。
なので普段から飛行機を利用しない人が航空会社のステータスを得るためには、強引な方法で理不尽なほど意味不明に飛行機の搭乗を繰り返す必要があります。コレが航空会社の「ステータス修行」と呼ばれるものです。
航空会社のステータスは1年毎に更新なので普通に考えたら、その理不尽で意味不明な修行を毎年永遠に繰り返さなくてはイケない感じがします。
しかしJALとANAでは、(今のところ)1年1回の修行のみである程度のステータスを獲得することができます。それがJALでは「JALグローバルクラブ(JGC)」、ANAでは「スーパーフライヤーズカード(SFC)」と言われるステータスで、それぞれのステータスを得るための修行を「JGC修行」「SFC修行」と呼んでいます。
JGC修行の指南記事と、実際にワタシが行ったJGC修行については下記のとおりです。
SFC修行の指南記事と、実際にワタシが行ったSFC修行については下記のとおりです。
ワタシは2017年にANAのSFC修行を、そして2018年にJALのJGC修行を終えていますので、それぞれの航空会社の上級会員として様々なサービスを空港で受けることができています。
暦通りの休みしか得られないワタシは、飛行機を利用するような旅行は土日やお盆前後、年末年始、春休み時期など混雑するときにしかできていません。しかも基本は子連れの家族旅行です。
ホントの繁忙期や出発便が重なる時間帯ではステータスがあれど様々な手続きに時間を要することはあります。また出国審査や入国審査など各航空会社のステータスだけではあまり優遇されない手続きもあります。
それでもステータスを獲得してからは、空港でどのように時間を潰せばいいのかいつも悩むほど、空港での行列で消耗することはなくなりました。
2019年の10連休となったゴールデンウィークで海外に国内に飛行機で飛んだとき、行列に並んで消耗しませんでしたか?その行列の横を涼しい顔で通り抜けて早々に手続きを済ませている人たちを見かけませんでしたか?
その答えは「修行」にあります。
まとめ
2019年の10連休となった一生に一度あるかないかの大型連休では、多くの人が空港から海外に飛びだっていきました。
ワタシは仕事で飛べなかったのですが、テレビで出国ラッシュの光景を見るたびに、行列に並んでいる人たちは航空会社のステータスのことは知っているんだろうか?と考えています。
なぜならつい3年前までワタシこそが何も知らずにその長い列に並んでいる立場だったからです。
今回のゴールデンウィークで行列の憂き目にあった人は、1年間頑張ればその行列に並ばなくても住む世界があることをお伝えしておきます。
今回ご紹介した航空会社のステータスが発揮できるのは基本的に大きな空港です。
例えばワタシの最寄りの空港である北九州空港は、JALもANA(のコードシェア便のスターフライヤー)も就航しています。
しかし小さい空港なので、専用のチェックインカウンターも保安検査場もラウンジもありません。
ステータスがあっても関係なく普通に並んでいて、メリットは優先搭乗と優先バゲージサービスぐらいです。